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盛岡在住のジャズピアニストがアルバムリリース 心に寄り添う音楽を届けて

「CDを聴いて、笑顔になってもらえたらうれしい」と話す馬場さん

「CDを聴いて、笑顔になってもらえたらうれしい」と話す馬場さん

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 岩手県久慈市出身で盛岡在住のジャズピアニスト・馬場葉子さんが12月15日、アルバム「I Will Wait For You」をリリースした。

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 本来であれば今年4月に新しいCDを出す予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けレコーディングを中断。2カ月に1回行っていた東京でのコンサートや、九州でのツアー、台湾・台北で予定していた公演を含め、コンサートやイベントは中止となり、予定していたスケジュールの多くが白紙に戻った。

 「ミュージシャンにとって音楽を奏でることは、『心の呼吸』をするようなもの」と馬場さん。演奏機会を失い、仕事がなくなっていく中で「心が詰まっていく」と感じていた。ファンからは「コンサートをして欲しい」という声もあったが、「こんな時にコンサートをするな」という意見もあり、悩む時期が続いた。

 馬場さんは「音楽を含め、多くの娯楽、エンターテインメントが不要不急の『不要』に含まれ、長期間の自粛が求められた。自分が人生をかけてやってきたことが必要とされていないと思うと、音楽家をやめようかと考えることもあった。同じように好きな物事に触れられず、心が疲れていった人は多いと思う」と振り返る。

 模索する中で、「このような時だからこそ、音楽が必要だ」と決心。人の心に優しく寄り添うような音楽を届けようとアルバムの製作を進めてきた。タイトルの「I Will Wait For You」は、「あなたを待っている」という意味で、「コロナ禍が終息し、安心して暮らせる世の中を待っている」という思いも込めた。

 アルバムは映画音楽をはじめ誰もが知っている曲をメインに、映画「シェルブールの雨傘」から「I Will Wait For You」、ディズニー映画「ピノキオ」から「When You Wish Upon a Star」など全9曲を収録。「愛に関する曲」をテーマに、大事な人や大事なものに会えない切なさに寄り添う音楽を届ける。

 収録は馬場さんがライブ会場としても利用している盛岡市のジャズバー「すぺいん倶楽部(くらぶ)」で行ったほか、盛岡を拠点に活動するスタッフを加えて制作。「首都圏以外からも発信できる」というメッセージを込める。

 馬場さんは「このような状況だからこそ、音楽は不要ではない、必要だぞという気持ちを込めた。一曲ごとにピアノの音を少しずつ変えて世界観を表現している。皆さんの心に無意識にたまったストレスや、不安、切なさを開放できるような音楽を届けたい。CDを聞いて笑顔になってもらえたらうれしい」と呼び掛ける。

 価格は3,300円。直販サイトやAmazonのほか、盛岡市内の店舗で販売する。

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