もりおか町家物語館(盛岡市鉈屋町)内のカフェDOMA(どま)が7月17日、営業再開した。
同館は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、4月20日から臨時休館。予定していたイベントの中止や延期もあり、施設全体で大きな影響を受けている。5月9日から再開したが、来館者は減少。そのような状況から「カフェDOMA」は休店を続けていた。
その後、都道府県をまたいだ移動の自粛緩和などを受け、来館者や観光客が少しずつ戻ってくることを見越してカフェの営業も再開。休店期間が長かったことから、ただ再開するのではなく新しい要素を加えての再オープンとなった。
新しい要素の一つがサブスクリプションサービス。同店の「森のコーヒー」もしくは紅茶(以上360円)を3カ月間3,300円で利用できる定期利用チケットで、利用はチケット購入者本人に限定する。店内には読書コーナーも新たに設置。現在は同館の名誉館長で作家の高橋克彦さんが寄贈した著書を中心に並べ、県内の直木賞・芥川賞関連作家の作品などを少しずつそろえていく予定だという。
9月からは初の試みとなるイベント企画もスタート。「○○カフェ」と題し、テーマに合わせてカフェに集まるようなイベントを考え、最初は「短歌カフェ」を実施する。9月から月に1回、全4回開催予定で、岩手県歌人クラブ副会長の吉田史子さんを講師に招き、短歌の基礎から鑑賞までを開設し、歌作・選歌・批評・感想の歌会の流れを体験する。感染症対策のため参加人数を限定しながら、今後もテーマを変えて継続していく。
営業再開に当たって席の配置やレイアウトも変え、1人でも利用しやすいように工夫。営業時間は以前より30分延長したほか、休館日以外の定休日を廃止し、火曜と水曜はドリンク限定での営業となる。夏季限定メニューとして、バタフライピーティーやアロニアソースをかけたアイスクリームも用意している。
館長の佐藤義見さんは「例年に比べれば、来館者も観光客も貸し館利用者も少ない。そろそろ人が戻ってくるのではないかという期待もある。このような状況下でも踏ん張っている施設はさまざまあると思う。新しい試みにも取り組んでいるので、ほっと一息つきに来てもらいたい」と呼び掛ける。
営業時間は10時30分~16時。第4火曜休館。