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盛岡バスセンター跡地「SIDE-B」のイベント利用終了 10月以降に本整備へ

利用開始から3年、イベント利用が終了した「SIDE-B」。本整備に向けた期待も集まる

利用開始から3年、イベント利用が終了した「SIDE-B」。本整備に向けた期待も集まる

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 旧盛岡バスセンター跡地を利用した地域活用ゾーン「SIDE-B(サイド・ビー)」(盛岡市中ノ橋通1)が今年9月末までに予定していたイベントの中止を発表し、本整備開始まで広場として利用することを決定した。

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 2016(平成28)年に営業を終了した「盛岡バスセンター」の解体後、その跡地を新バスセンターの整備が始まるまで盛岡市が取得。再整備が始まるまでの間、地元商店街や住民らで構成する「盛岡バスセンターおよび周辺地区活性化協議会」へ無償で貸与し、「SIDE-B」と名付け市民広場としての日常的な使用のほかイベント会場として利用が行われてきた。

 本来は2019(平成31)年3月末で貸与終了の予定だったが、新施設の着工までの期間が延長したことから「SIDE-B」の運営も今年9月末まで継続することになっていた。一方、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、今年9月までに開催を予定していたイベントの中止を決定。イベント利用の新規受け付けも終了することを決めた。

 「SIDE-B」には年齢・性別問わず多くの人が集まった。協議会のメンバーで「盛岡市肴町商店街振興組合青年部(4S会)」の佐々木大さんは「世代を超えてたくさんの人に親しんでもらえた。その背景には『バスセンター』という場所の力があると思う。いろんな人がバスに乗って、ここへ集まって来ていた。誰でも来て良い場所、フェアな場所だった。それがSIDE-Bにも受け継がれていたのだと思う。新しい施設にもそれを受け継ぎたい」と話す。

 「SIDE-B」の運営を始める背景には、バスセンターが解体された後に「何もない地域」という印象が広まりつつあった状況がある。当時の様子についてについて「バスセンターがなくなったインパクトが大きすぎて、とにかく寂しい雰囲気だった」と佐々木さん。この状況で新しい施設ができても歓迎されないのではないかという不安も集まっていた。

 そこで、「何もないことは寂しいのではなく、何でもできるということ」とイメージの転換を目指し、地域全体の価値や未来への期待感を高めようと「SIDE-B」の運営を開始。2017(平成●)年9月の本格活用を前に、協賛企業を募りサインボードの設置を行ったところ、すぐに満了となった。愛称の「SIDE-B」は、「BUS(バス)」「BEST(ベスト)」「BEAUTIFUL(ビューティフル)」「BREAKTHROUGH(ブレイクスルー)」などの意味を込めた。

 「SIDE-B」では、食や郷土芸能、移動動物園、プロレスなど多様なイベントが行われてきた。残念ながら中止となった今年のイベントの中には、オリンピックにまつわるものや、演劇、キャンプなどがあったという。自主事業として続けてきた「SIDE-B祭り」も最後の開催を予定していた。

 広場としての運営とサインボードの掲出は9月末まで実施。10月には新バスセンターの本格的な再開発に入る。協議会も解散を考えていたが、バスセンター周辺で大きな動きが続くこともあり、河南地区全体の情報を扱う活動へシフトしていくという。

 「悔しさがないといったらうそになるが、こればかりは仕方ない。終わるということは新しいワクワクがやってくる」と佐々木さん。「自分の子どもが『長く生きるのは私たちだ』と言っているのを聞いて、われわれはすでにもう次の時代を生きる人に関わっていることに気が付いた。SIDE-Bを通じて過去と現在と未来のバスセンターをつなぐ役割ができたと思う。今なら新しい施設が来ても大丈夫と実感が持てる。この地域がしっかり立ち上がり、波をつくることで他の地域へ波及していきたい」と意気込む。

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