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盛岡在住の会社員・作家、くどうれいんさんがエッセー集 日常の「シーン」積み重ね

「うたうおばけ」表紙

「うたうおばけ」表紙

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 盛岡在住の会社員で作家のくどうれいんさんによるエッセー集「うたうおばけ」が4月29日、発行された。

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 くどうさんは2018(平成30)年に、俳句と食にまつわるエッセー集「わたしを空腹にしないほうがいい」を市内のブックストア「BOOKNERD(ブックナード)」から発行。現在8刷で7400冊を販売し、リトルプレスとしては異例の売れ行きだという。同書が話題になり始めた頃、出版会社「書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)」(福岡県)の担当編集者から「本を出さないか」と声を掛けられ、「自由に書きたいものを書いて」という依頼を受けたことをきっかけに本の発行を決めた。

 「うたうおばけ」は「書肆侃侃房」のウェブ連載ページ「web侃づめ」で連載していたものに、書き下ろしなどを大幅に増補したもの。「人生はドラマではないが、シーンは急に来る」をキャッチフレーズに、独特な「ともだち」についてのエピソードや、仕事、恋などくどうさんの日常も描かれる。このフレーズは表題作で、同書の最初に収録されているエッセー「うたうおばけ」に出てくる。

 くどうさんは「連載時から『実話ですか?』とよく聞かれるが、実話。自分の身の回りで特別おかしく楽しいことが起きているのではなく、『はっ』として気にとめる目さえ持っていれば、誰にでも起きるようなことを書いているつもり」と話す。「会社勤めをしながら作品を書く時間や気持ちの余裕を作ることがとても大変だった。書くネタに困ったことは一度もなく、楽しく書き進めることができた。」とも。

 エッセーの中には、「『ビニニでもバナナ』と大発見したのんちゃんとゆーきちゃん」「暗号でしか告白できないスズキくん」など個性的な「ともだち」が多数登場し、くどうさんはあとがきで「おだやかな百鬼夜行」と表現。「開運橋」や「光原社」、「盛岡短歌甲子園」といった、盛岡ならではの場所やエピソードも出てくる。

 同書は書籍や出版物を識別・管理するための「ISBNコード」を取得し、全国の書店で流通。全国発売を前に重版も決定し、「全国の書店さんから期待をいただいているものだと受け取っている」とくどうさん。

 「ISBNを取った本は初めてなので、メジャーデビューをしたような気持ち。生活圏内の書店で並んでいるのを見てとてもうれしい。近作も収録され、社会人になってからのここ数年の集大成のような気持ち。開運橋、生うに、さんさ踊り、光原社など、盛岡の風景もたっぷり入った一冊。ぜひ岩手の皆さんに読んでもらいたい」と呼び掛ける。

 四六判・192ページ。1,540円。

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