岩手県や県内の商工団体、大学などで構成する「いわてで働こう推進協議会」は現在、2021年卒業の学生を対象とした「いわてで働こう!WEB合同企業説明会」を実施している。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、3月以降、各地で企業説明会の中止が相次いでいる。ウェブ上での合同企業説明会は、この状況を受けて、情報が入手できず不安を抱える学生や、学生と接触し自社について広める機会がなくなった企業を支援しようと実施を決定した。
これまで県外への就職を希望する学生と企業とが面接などをする場合、ウェブ上でのシステムを使って対応するパターンはあったが、合同企業説明会として広く参加を呼び掛けるものとしては県内初の試み。全国的に見ても事例は少ないといい、実施に関して県外からの問い合わせもある。
「WEB合同説明会」は、ウェブ会議システム「ZOOM(ズーム)ミーティング」を利用。参加を希望する学生は、若者の就職支援を行う「ジョブカフェいわて」のホームページなどに掲載されたスケジュールを見ながら説明を聞きたい企業を選び、事前申し込みを行い、専用のURLを受け取りオンラインルームに入室する。
企業側は自社もしくは「ジョブカフェいわて」の一角から、学生らは自宅にいながらパソコン・スマートフォンを通じて合同説明会に参加。学生側がカメラやマイクの機能がある機材を使うことで、企業側は学生の顔や声を認識。質問にも対応する。カメラの使用・不使用については学生に一任している。
説明会は3月17日にスタート。岩手県内に本社や営業拠点がある企業60社ほどが参加し、25日・26日・27日の実施を予定している。資料の共有が簡単な点や、県内だけではなく県外の学生が参加する点などウェブならではのメリットも多い。企業側からも好評を得て、追加開催を希望する声もあるという。
「ジョブカフェいわて」の担当者は「4月からは本格的な採用も始まるので、学生や企業のニーズを聞き取りながら、今後の対応を考えていきたい。学生と企業を結ぶ手助けになれば」と話す。
「ジョブカフェいわて」自体は普段通りの運営を続けるほか、不安な利用者については電話での相談にも対応。一方で、利用する学生や若者らは通常とほぼ変わらない様子が見られるという。
担当者は「首都圏での就職を目指す学生は淡々と就活を行っているようにも感じる。こんな状況ではあるが、『ジョブカフェはいつも通り』であることも伝えたい。それが皆さんの安心につながれば」と呼び掛ける。
「WEB合同企業説明会」への参加申し込みは開催前日の17時まで受け付ける。