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岩手と北欧のコラボブランド「iwatemo」が県内で初の展示会 地元にも魅力広める

展示会の様子。南部鉄器・磁器・木製家具が並ぶ

展示会の様子。南部鉄器・磁器・木製家具が並ぶ

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 岩手の工芸職人とフィンランドのデザイナーによるコラボレーションブランド「iwatemo(イワテモ)」の展示会「iwatemoスタイル展」が1月17日、「岩泉純木家具ショールーム」(盛岡市材木町)のギャラリーでスタートした。

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 「iwatemo」は、世界的にも著名なフィンランド人デザイナー、ハッリ・コスキネンさんとヴィッレ・コッコネンさんがデザインを手掛け、岩手県内の職人が製造を行っている工芸品ブランド。単発ではなく継続したコラボレーションを目指し、2018(平成30)年にブランドを運営する会社「モノラボン」を設立し、企画販売を行っている。会社は、普段はおのおので事業を行っているメンバーがマネジメントチームとなり、職人らと共に立ち上げた。海外展開へ関心がある県内の製造者が参加し、4人の女性が主要メンバーとして活動している。

 ブランドを立ち上げるきっかけの一つには、社長を務める工藤昌代さんがフィンランドとの交流を持っていたことがある。工藤さんはその交流を岩手での物作りにも生かせないかと提案。県や県工業技術センターなどの支援を得て、岩手での勉強会やフィンランドへの訪問などを行ってきた。その中で、ハッリさんとヴィッレさんが講演会に登壇するため岩手を訪れる機会があり、2人からブランドの立ち上げについて相談を受けたという。

 現在取り扱っている製品は木製家具、磁器、南部鉄器の3種類で、それぞれ岩泉町の岩泉純朴家具、滝沢市の陶來、一関市の三協金属が製造を行っている。ブランドが掲げる大きなコンセプトは「ホーム」で、暮らしの中で使えるデザインの製品をそろえる。「モダン」「シンプル」「タイムレス」といったテーマも併せ持ち、使う場所や時を選ばず、流行にも左右されにくいものになっているのも特徴。北欧では日本らしさを、日本では北欧らしさを感じるという声もある。

 工藤さんは「デザイナーから注文を受けて、職人が作るというビジネス的な関係を超えた交流が生まれ、2人のデザイナーと職人が一緒に製品を作り上げている。それぞれのデザイナーのデザインがぶつかり合わない、細やかな所に職人の技術が見えるというのもブランドの持ち味」と話す。

 デザイナーと職人たちの関係について、製品責任者を務める村上詩保さんは「使う言語が違う中で、最初は通訳の担当者を介してやり取りしていたが、今は互いに分かり合えているように感じる。同じ物作りに携わる者同士、通じる部分があるのかもしれない」と話す。

 ブランドは昨年2月にストックホルム、5月に東京、9月にヘルシンキで展示会を実施。国内外で高い評価を受け、飲食店などのインテリアとしても取り入れられている。今年1月には、ラインアップの一つである鉄器のケルトが、日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)による「JIDAデザインミュージアムセレクション」に選出。これを機に、地元・岩手の人にも知ってもらおうと初の展示会を開催することとなった。

 今回の展示会では、鉄器のケルトや磁器の食器、木製スツールなど24点を展示。一部は購入できるほか、予約注文も受け付ける。

 「モノラボン」は昨年12月、盛岡信用金庫や盛岡市などによる「もりおか起業ファンド」の投資を得て、新製品の開発や海外での展開など今後の事業拡大にも意欲を見せる。

 岩手での展示と同時に、東京でもポップアップストアも展開している。「漆や織物、染め物など岩手にはまだまだたくさんの工芸品がある。作り手の協力を得て、製品を増やしていきたい」と工藤さん。「盛岡と東京で実物を見てもらえる機会が生まれた。岩手のものづくりと北欧のデザインの融合の過程に注目してほしい」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~18時30分(最終日は16時30分)。木曜定休。展示会は今月31日まで。

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