「もりおか歴史文化館」(盛岡市内丸)で現在、第2回もりおか歴史文化館自由研究コンクール作品展「モリガク作品展」が行われている。
小学生を対象に、盛岡という地域について自ら知ろうとするきっかけを作り、郷土の歴史や文化を育むことを目的にスタートした同コンクール。発案者は同館のサポーター組織「歴文館サポーターズ ふたば」のメンバーになっている市内の高校生。「自分から調べる知ることで、子どもの頃から盛岡愛を育んでもらいたい」「調べたことを発表する場所も欲しい」というアイデアから生まれた。
2回目となる今回は全10作品の応募があり、「盛岡の歴史・文化」をテーマにさまざまな視点で盛岡を調べ上げた力作の自由研究が集まった。担当者は「前回より応募点数は減ってしまったが、その分内容の濃い自由研究が集まったと感じている。今回から作品の形式にも規定を設けたが、それに合わせてしっかりまとめてくる小学生の力は素晴らしい」と話す。
応募作品は11人の審査員により審査が行われ、テーマの独創性や盛岡との関わり、努力や熱意が伝わるか、楽しんで研究しているか、伝わりやすい工夫がされているかなどの基準で評価。審査の結果、最優秀賞には「盛岡の清水」をテーマに研究をした山岸小学校6年生の高橋舞さん、盛岡市長賞は「盛岡の先人の銅像」を調査した東松園小学校4年生の三上春陽(はるひ)さん、もりおか歴史文化館館長賞に「盛岡さんさ踊り」の集客力に着目し「さんさ踊りの魅力」を探った城南小学校3年生の佐藤雅久(がく)さん、審査員特別賞に当たる「花咲(はなえみ)賞」には、「盛岡さんさ太鼓」の制作過程をパズル型のクイズ形式にまとめた北厨川小学校5年生の櫻田千夏さんが選ばれた。
17日に行われた表彰式で同館の畑中美耶子館長は「集まった自由研究は、子どもたちの頑張りが見える素晴らしいものばかり。点数を付けるのが難しく全員に賞を贈りたいくらいだった。コンクールが郷土愛を深めるきっかけになっていればうれしい。賞を取ったから終わりではなく、次回に向けてさらなる研究を続けて」と受賞者に声を掛けた。
最優秀賞を受賞した高橋さんは、父親の「おいしいコーヒーが飲みたい。湧き水でコーヒーをいれたらおいしいのではないか」という声をきっかけに自宅近くの湧き水について調べ、その時に「盛岡十大清水」や「盛岡三大清水」の存在について知り、研究をスタート。飲み比べや水質調査など歴史的視点に科学的研究を組み合わせた内容、地域住民との交流が評価を受けた。
高橋さんは「最初は湧き水はみんな同じだと思っていて、水質調査の結果に違いがなかったらどうしようという不安もあった。調べたら、それぞれ水質も違って、飲んでみても味が違って驚いた」と話す。「水をくみに来た人との交流も楽しくて、調査結果を聞かれることもあった。楽しく、自分の中で意味のある研究になった」と研究に取り組む喜びを表す。一番おいしい湧き水については「賢治清水が一番。今もくみに行っている」とも。
開館時間は9時~18時(入場は17時30分まで)。入場無料。11月24日まで。