映画「だれも知らない建築のはなし」正式上映会が8月26日、「プラザおでって」(盛岡市中ノ橋通1)3階おでってホールで開催される。
主催は、映画の上映会やイベントなどを企画する「<映画の力>プロジェクト」。市内で施設の建て替えなどが相次ぐ中、「一体誰が建てるのか」「盛岡に著名な建築家はいるのか」といった疑問が生まれたことをきっかけに、建築にまつわる作品の上映を決めた。
映画「だれも知らない建築のはなし」は、1982年にアメリカで行われた、世界中の建築家が集まった国際会議「P3会議」を中心に、会議に参加していた建築家たちへの取材を通じて、建築物の背景にある歴史背景や建築界の変遷、未来の建築などについて考えるドキュメンタリー作品。「P3会議」には、日本から磯崎新さん、伊東豊雄さん、安藤忠雄さんの3人が参加していた。
「<映画の力>プロジェクト」の高橋大さんは「盛岡で有名な建築家と聞かれてもすぐに思い付かないし、興味があるという人も少ない印象。映画作品を通して改めて興味を持ってもらえるのでは」と話し、「伊東さんや安藤さんは、今は著名な建築家として活躍しているが、会議に参加した当時は無名の若者。有名な人にも若い頃、無名の頃があったというエピソードは、建築の世界に入ろうとする若い人の背中を押す力になるとも思う」とも。
当日は映画上映後、東京と盛岡に事務所を構える一級建築士事務所「NoMaDoS(ノマドス)」の千葉光さん、乙坂譜美さんによるトークイベントも実施。映画で出てくる用語や人物などの補足説明や2人の仕事にまつわる話、建築にまつわるトークを行う。
千葉さんは「盛岡の古い街並みも含めて、建築って楽しいんだな、面白いんだなと感じてもらうきっかけになればうれしい」、乙坂さんは「私も小さい頃は全く建築に興味がなくて、学んでいるうちに段々とその面白さが分かってきた。そのことを皆さんに伝えられれば」とそれぞれ話す。
作中では日本の建築について、海外の建築家が批評する場面もあり、見どころの一つ。高橋さんは「日本の建築がかなり悪く言われるシーンもあるが、建築家たちの鋭い意見や本音は、見ている側が思わずのめり込んでしまう熱量がある。そういったプロフェッショナルたちの仕事ぶりに触れる、滅多に会えない人に映画を通じて出合うという面白さも作品の魅力だと思う」と話し、「自分自身、建築は興味がある分野だが、全く知らない世界。短い時間で知らない世界に興味を持ってもらうにはちょうどいい作品の一つ。変わりゆく建築の世界に一緒に触れてみて」と呼び掛ける。
18時30分開場、19時上映開始。料金は900円(学生は無料)。当日参加のほか、イベント告知サービス「こくちーず」で事前予約も受け付ける。