盛岡市は8月30日、市全域を対象とした一斉防災訓練「シェイクアウト」を実施する。
「シェイクアウト」はアメリカで始まった地震に備えるための防災訓練。「地震の揺れに備えろ」という安全行動の掛け声をイメージした造語で、日本では「一斉防災訓練」の意味で通用しているという。訓練の参加者は地震災害を想定し、指定された日時にそれぞれがいる場所で自分の身を守るための安全確保行動を行う。
盛岡でのシェイクアウトは2016(平成28)年にスタートし、今年で4回目。毎年、9月1日の「防災の日」に合わせて実施してきたが、今年は日曜に当たるため8月30日に行う。当日は11時に震度6の地震が発生したと想定。「ラヂオもりおか」の放送と「いわてモバイルメール」からのメール配信に加え、今年からはスマートフォンアプリ「ヤフー防災速報」のプッシュ通知を合図に訓練をスタートする。参加者は自宅や職場、学校など自分がいるその場で、「姿勢を低くする」「頭を守る」「動かない」の3つの安全確保行動を取る。
市ではシェイクアウトの終了後に、避難経路を確認する避難訓練や安否確認訓練、防災学習、備蓄品・危険箇所の確認などを行う「プラスワン訓練」の実施も呼び掛けている。
訓練参加者の事前登録も行い、昨年は5万6715人が参加。毎年増加傾向にあるという。終了後のアンケートでは「さまざまな状況下で安全確保行動の取り組みができたのは有意義だった」「シェイクアウトは気軽に取り組める良い手段」「防災意識の向上に有効だと思う」という声のほか、「避難経路や避難場所、危険箇所の確認をしながら定期的に訓練した方がいい」「日々の意識付けが重要」など継続を求める声もある。
市危機管理防災課の担当者は「昨年より多くの人に参加してもらいたい」と話し、「シェイクアウトはどこにいても、誰でも、その場でできる訓練。実践してもらうことで、自分の身を守る行動について改めて知ってもらいたい」と呼び掛ける。
参加登録は市ホームページの専用フォームのほか、郵送とファクスで受け付ける。