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岩手県立図書館で震災語り継ぐ館内ツアー 記録と記憶「未来へつないで」

館内に設けられた「震災関連資料コーナー」。書籍以外に「避難所だより」などの資料も並ぶ

館内に設けられた「震災関連資料コーナー」。書籍以外に「避難所だより」などの資料も並ぶ

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 岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で3月11日、特別開催図書館さんぽ「語り継ぐあの日の図書館と『震災関連資料コーナー』」が開催される。

 「図書館さんぽ」は定期的に行っている館内見学ツアー。図書館コンシェルジュが案内人となり、散歩気分で館内の各コーナーを巡ったり、機械類などに触れたりする。これまでも東日本大震災の発生日が近づくと、通常の開催の内容に震災関連の話題を取り入れていたが、2016年からは3月11日と防災の日に当たる9月1日の年2回に特別開催として行うようになった。

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 震災直後、同館が入る「いわて県民情報交流センター アイーナ」が避難所となり、帰宅困難者や近隣からの避難者を受け入れ、スタッフは避難所の対応を行っていた。13日から16日にかけて避難所図書室サービスを開始し、新聞やインターネットなどを活用した避難者への情報提供を行ったほか、親子連れに向けて絵本の読み聞かせなども実施していたという。その後、館内復旧と点検のため一時閉館したが、4月1日から再び開館。地震により大きな被害を受けた図書館への支援も行ってきた。

 同館コンシェルジュの高橋加奈さんは「当時は棚から資料が落ちたり、機材が破損したりなどの被害があった。情報が遮断される中、図書館としてどういうことができるかと考えていた。幸いにもインターネットが使えたこと、新聞があったことなど、図書館ならではの強みを生かして情報提供ができた」と話す。

 「図書館さんぽ」の当日は、震災当時の館内やアイーナの様子を写真で紹介しながら館内を巡り、「震災関連資料コーナー」を紹介する。「震災関連資料コーナー」には、震災関連図書や、災害・防災に関わる出版物のほか、復興計画や避難所だよりなどさまざまな資料が集まる。公開されている資料以外にも、震災関連の内容が載った書籍や雑誌、イベントチラシ、広報といった数多くの資料が閉架書庫に収められている。当日は14時から、「証言記録東日本大震災 第19回岩手県大船渡市~静かな湾に押し寄せた大津波~」を上映する。

 特別開催の「図書館さんぽ」には市民のほか沿岸から盛岡市内へ避難してきた人や、ほかの災害の被災地にゆかりのある人が参加することも多い。参加者は図書館も被災したということや、避難所になっていたことに驚くという。

 高橋さんは「図書館の役割として、当時の記録と記憶を残して伝えることがあると思っている。集まった資料は、未来で同じような災害が起きた時にきっと役立つはず。館内を歩きながら当時のことに思いをはせて、いろいろなことを想像してもらいたい」と呼び掛ける。

 開催時間は13時30分から。参加無料。事前申し込みは不要で、参加希望者は同館コンシェルジュデスク前に集合。

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