盛岡広域フィルムコミッション(盛岡市中ノ橋通1)は6月1日、映画「終わった人」(同9日全国公開)の盛岡ロケ地マップを製作した。
映画「終わった人」は内館牧子さんによる小説を原作とした実写作品。東京と盛岡を舞台に、大手銀行の出世コースから外れたまま定年を迎えた主人公と妻の夫婦関係や周囲の人間模様を描く。定年退職し世間から「終わった人」と思われ途方に暮れながらも、「このままではマズイ」ともがく主人公・田代壮介役を舘ひろしさん、そんな夫の姿に呆れ距離を置き始めた妻・千草役を黒木瞳さんが演じる。監督は「リング」をはじめとするホラー作品を多く手掛ける中田秀夫さんが務める。
盛岡広域フィルムコミッションの多田研三さんは「出演者の皆さんからもロケーションが良いという声があり、一市民としてうれしい限り。盛岡が舞台となるシーンでは市内のいろんな場所が登場するので見逃さないでほしい」と話し、「盛岡の景色はもちろんだが、何かとかっこいい印象がある舘さんが普通のお父さんを演じているひょうきんさやユーモラスさも見どころ。定年が1つのテーマだが、これから定年を迎える人、すでに迎えた人、まだ先の話だという若い人にも見てもらいたい家族の物語だと思う」とも。
盛岡での撮影は昨年春と夏に行われ、「米内浄水場」や「高松の池」、「一ノ倉邸」などで実施。盛岡南公園運動場「いわぎんスタジアム」で行われたラグビー観戦シーンの撮影には約550人のエキストラも参加した。「ロケ地マップ」では盛岡市内12カ所の撮影地を紹介。実際の映画の場面とともに撮影中の様子を写した写真やエピソードも掲載している。
公開を前に試写会で作品を見た人が県外から訪れているという。多田さんは「市内でも盛り上がりつつある。公開後もたくさんの人が盛岡を楽しんでくれることに期待したい」と意気込む。
マップは上映を予定している県内4つの映画館のほか、ロケ地を含めた市内各所、県外では「いわて銀河プラザ」や「盛岡市東京事務所」で配布。ホームページからもダウンロードできる。