カップアイスクリーム専門店「ことりでアイスクリーム」(盛岡市上田堤2)がオープンして3カ月がたった。
店主の上野(うわの)佐世子さんは2児の母。同店を開いたのは「子どもの助けになりたい」という思いからだった。上野さんは「私が子どもの頃には駄菓子屋があった。安くおやつが買えて、店の人が私たちを見守ってくれていたが、今はそういう店がない。自分の子どもや、子どもと同じ学校に通う子たちを見ているうちに子どものために何かできないかと思っていた。近所に住む子どもたちを見守るような場所にもなりたい」と話し、店名の「ことりで」には「子どもの砦」という意味を込めた。
当初はアイスクリーム店か菓子店か悩んでいたという上野さん。アイスクリームを選んだのは、幼い頃からの夢の一つに「アイス屋さんになる」があったからだという。中古販売されていたアイスクリームメーカーを見つけて開店を決意。今年1月末にはインターネットを利用した販売を始め、2月ごろから自宅での直売もスタートした。現在は朝市や産直などへも出店し、毎日来る子どもたちや家族への土産に買う周辺住民も多いという。
同店のアイスクリームは「子どもが安心して食べられるおやつ」をコンセプトに、添加物をほとんど使用せず、なるべく国産・県産の食材を使うように心がけ、バニラやチョコレート、抹茶などのほか、サツマイモやイチゴといった季節の食材を使ったものなど常時10種類前後を取りそろえる。値段も子どもが買いやすいよう、味ごとに100円、130円、150円に設定。その場でも食べられるよう店先にはベンチも設置した。
同店の「ファン」だという男性は「優しくて素朴な味わいが魅力。軽い口当たりで甘すぎないし、量も多くなくて食べやすい。お土産として渡すのにもちょうど良いサイズ」と話す。
上野さんは「自分や家族も口にするものだからこそ、成分や材料だけではなくて、値段や場所についてもたくさんの人が安心できるものを提供していきたい」と意気込む。
営業時間は13時~18時。日曜定休(出店などで臨時休業する場合もあり)。