盛岡に「岩手ILC連携室オープンラボ」 素粒子実験装置の情報発信拠点に

施設中央に設置された「クライオモジュール」。千葉副知事と吉岡名誉教授が除幕を行った

施設中央に設置された「クライオモジュール」。千葉副知事と吉岡名誉教授が除幕を行った

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 岩手県は4月18日、「岩手県最先端科学技術研究センター」(盛岡市北飯岡2)内に、「岩手ILC連携室オープンラボ」を開設した。

展示された「クライオモジュール」は全長約6メートル。内部に加速器や冷却管が入る魔法瓶のような構造

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 県が誘致を進める国際リニアコライダー(ILC)は、宇宙の成り立ちや新たな物質の存在などを調べる素粒子実験装置。同施設はILCについての情報発信や研究開発の拠点としてILC関連の情報を集約した「ここ一カ所でILCのすべてが分かる施設」として開設。県民の理解を深めると共に、県内企業のILC事業への参入促進を図る。

 施設内にはILCの心臓部となる装置「クライオモジュール」の実機を展示。装置は茨城県つくば市の「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」で実際に使われていたものを無償で借り受けた。装置やILCに関する解説パネルなども設置し、参入を目指す事業者や興味を持つ学生・子どもたちに向けて、誰もが利用できる開かれた施設を目指す。

 18日の開設式には千葉茂樹副知事とKEKの吉岡正和名誉教授のほか関係者らが参加。千葉副知事と吉岡名誉教授が「クライオモジュール」の除幕を行った。千葉知事は「実験に使われた装置の実機を見て県内企業の研究開発に活用してほしい。学習に取り組んでいる子どもたちにとっても有意義な場所。県民の関心の高まりに期待したい」とあいさつした。

 開設式の後には、吉岡名誉教授が装置について関係者らに向けて解説を行った。吉岡名誉教授は「言葉だけではピンと来ないことも、本物の装置を見ることで理解を深めることができると思う。ILCが誘致されると世界中から研究者や技術者が集まる。研究や技術の側面だけではなく、人口減少など地域の課題を解決するという面でも学びがあるかもしれない」と期待を寄せる。

 見学時にはスタッフによる解説や視察対応も行う予定。利用・見学には1週間前までに事前予約が必要となる。問い合わせは「いわて産業振興センターものづくり振興部」(TEL 019-631-3825、FAX 019-631-3830)まで。

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