盛岡市の中心部に集まる5つの商業施設による共同事業「MORIOKA 5STAR」と盛岡市が協働で行う「もりおかマチ歩きMAPプロジェクト」は4月7日、「もりおかマチ歩きMAP vol.1」の配布を始めた。
地図はGoogleマップと連動。QRコードを読み込んでスマートフォンで表示できる
同プロジェクトは、フェザン(盛岡駅前通)、クロステラス盛岡(大通3)、MOSS(大通2)、パルクアベニューカワトク(菜園1)、ななっく(中ノ橋通1)による「MORIOKA 5STAR」が中心市街地の活性化を目的に、2017年度の市民協働推進事業の一環としてスタートしたもの。市民が案内人となり、さまざまなテーマに合わせて市内の店舗や施設などを紹介する地図を製作し、中心市街地の魅力あるコンテンツや新たな散策ルートの開拓を図る。
将来的に100種類の地図を作ることを目標に、今回は20種類の地図を製作。市民らが参加できるワークショップを昨年12月と今年3月に計3回開き、テーマの提案や実際に街を歩いての写真撮影などを行った。当初は紙媒体での発行を予定していたが、スマートフォンなどの端末からも閲覧できるようにGoogleマップ・Googleフォトと連動する形でリリース。地図を閲覧するためのQRコードを掲載した冊子を作り、手持ちの端末でQRコードを読み込んで利用する。プロジェクトの企画に関わるデザイナーの金谷克己さんは「種類が多いだけに、紙に印刷してしまうとたくさんの地図を持ち歩かなければならない。Googleマップを使うことで目的地へのナビゲーションや口コミ、正確で新しい情報を確認できるメリットもある」と話す。
製作された20のテーマの地図は「盛岡三大麺」や「珈琲(コーヒー)専門店」といった盛岡ならではの題材から、「オムツ替え・授乳可能施設」「ノマドワークスポット」など観光だけではなく暮らしに役立つテーマも採用した。20種類のうち8種はフォトアルバム形式で、地図として場所が示しづらいスポットや風景を紹介。かっこいいと感じさせるビルや建物を集めた「ハンサムビル」や散策の途中で休憩できるベンチなどをまとめた「ねまるポイント」などユニークな題材がそろう。
「MOSS」の伊壷陽介さんは3回のワークショップ全てに参加。「さまざまな人が集まると、さまざまなアイデアが生まれる。まさかと思うテーマもあって、地元の皆さんにも見てもらいたい地図になった」と話す。「カワトク」の斎藤英樹さんは「地図作りをきっかけに、私たちが何気なく見逃しているものにも魅力があるのだと感じた。観光で訪れた人にはそういうものこそ面白いのかもしれない」と話す。
6月にはマップを使ったイベントや英語版のリリースも予定。100種類の地図を製作するためにワークショップも継続して行う考えがあるという。金谷さんは「有名な名所ではないようなところでも、歩いているだけで楽しいような場所が盛岡にはある。個人の主観を通してまた新しい発見があると思うので、地図を片手に出掛けてみて」と呼び掛ける。
マップはプロジェクトに参加する5店舗のほか、市役所、プラザおでって、いわて盛岡広域観光センターなど市内各所で配布。フェイスブックページからも閲覧できる。