岩手県は3月23日、達増拓也岩手県知事が責任編集長を務める漫画作品集の第7弾「コミックいわて なななっ」を発売する。
同書は県公式ウェブ漫画サイト「コミックいわてWEB」で配信する、岩手ゆかりの漫画家14人の作品を掲載した漫画作品集。全作品が岩手を題材とした内容で、県内の観光名所や名物、郷土芸能、伝承、妖怪などがテーマになっている。
表紙は「ケロロ軍曹」の作者としても知られる吉崎観音(みね)さんによる描き下ろしイラストを使用。「平泉のカエル戯画」をモチーフにした県の公認キャラクター「ケロ平」とコラボレーションし、「栄華を極めた当時の平泉にケロロ軍曹率いるケロロ小隊が時空を超えてタイムトリップし、ケロ平の案内で旅行している」というイメージに仕上げた。
これまでの収録作品は岩手出身漫画家によるものがメインだったが、今回は岩手を応援している漫画家や岩手ファンの漫画家による作品も掲載。「セクシーボイスアンドロボ」の作者で盛岡在住経験がある黒田硫黄さん、「漫画家が岩手を応援するツアー」の参加者である三宅乱丈(らんじょう)さん、アニメーション映画「この世界の片隅に」の原作者で宮沢賢治ファンとしても知られる、こうの史代さんが執筆している。
「第7回いわてマンガ大賞」大賞受賞作品で、受賞作の中で初のギャグ漫画となった、クリストファー・アイゼンフィールドさんの「トオノ君、河童(かっぱ)だよね!?」も掲載されるほか、以前の大賞・優秀賞受賞者による作品も収録される。
タイトルの「なななっ」は、驚きを表す岩手の方言「じぇじぇじぇ」や「じゃじゃじゃ」にかけ、「なななっ」と思わず驚いてしまうほど、岩手の魅力が詰まった本という意味を込めた。県文化振興課の担当者は「今回の単行本は有名な漫画家からルーキーまで幅広い作家が参加している。内容も笑いあり涙ありで、さまざまなジャンルがそろった」と話し、「岩手のメジャーな部分はもちろんだが、マニアックな題材の作品も多く、県内外の皆さんに楽しんでもらえると思う。ガイドブックのように親しんでもらえれば」と呼び掛ける。
A5判、全248ページ。価格は756円。県内主要書店などでの店頭販売のほかインターネット販売にも対応する。