スキンヘッドに黒のスーツ、オールバックに細い眉毛。ちょっと強面(こわもて)の男性合唱団による歌のステージが8月21日、岩手県民会館(盛岡市内丸13)中ホールで行われた。
「慕古伝唱(主催=きわみ堂)」と銘打ったこの風変わりな歌のステージは、盛岡市出身の声楽家が代表を務める男性合唱連合の「極(きわみ)」によるもの。代表の大田代将孝さんは盛岡市の出身で国立音楽大学の声楽家を卒業後、首都圏を中心に活躍するプロの声楽家。「極」は大田代さんが座長を務める「大田代一家」のほか、首都圏などで活躍する2つのプロの合唱グループが集まってできた正真正銘の男性合唱団だ。
この日は「極」の設立記念公演として「シャボン玉」「七つの子」「赤とんぼ」「となりのトトロ」など、その風貌からはおよそ似つかわしくない演目が約14曲披露された。バックのピアノ演奏には県出身のジャズピアニストも参加。
この日のステージを楽しみにしていたという市内の音楽関係者は「見た目は怖いけど、実はとっても優しい人たち。ボランティアにも積極的で社会との関わりと郷土意識を大切にしている」と話していた。
「極」はすでに横浜市の神奈川公会堂でもステージを行っており、今後は全国を視野にコンサート活動をしていくという。