盛岡で博物学者・荒俣宏さんイベント 新刊発売で、「妖怪」好きら集まる

蘇民祭の由来を中心に語る荒俣さん(左)。軽快な語り口で会場を沸かせた

蘇民祭の由来を中心に語る荒俣さん(左)。軽快な語り口で会場を沸かせた

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 ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング(盛岡市盛岡駅前北通)で11月17日、博物学者で小説家の荒俣宏さんによる「荒俣宏トークショー&サイン会」が開催された。

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 同イベントは書籍「荒俣宏妖怪探偵団ニッポン見聞録 東北編」の出版を記念し、「妖怪」を通じて郷土の歴史文化の奥深さを知ってもらおうと行われたもの。同書は、荒俣さんと古生物学者の荻野慎諧(おぎのしんかい)さん、小説家の峰守ひろかずさんによる「妖怪探偵団」が東北各地を訪れ、地元の専門家と共に妖怪や化け物について検証する内容で、岩手県での取材の様子もつづられている。

 トークショーには多くの荒俣さんのファンや妖怪好きなどが集まり、荒俣さんは「まさかこんなに集まっているとは。せっかくなので本の内容についてではなく、ほかの視点から岩手について話してみたい」と発言し、会場を驚かせた。トークは「まだある、岩手のふしぎな鬼と剣」と題し、県内各地で行われている蘇民祭の由来にまつわる話を中心に、宮沢賢治作品と妖怪のつながりや、伝統芸能の鬼剣舞についてなど1時間ほど話し、会場に訪れた人からは驚きの声や笑い声も上がった。

 トーク終了後にはサイン会も行われ、一人一人と言葉を交わし、来場者は喜びの表情を浮かべた。花巻から訪れたという女性は「妖怪が好きで荒俣さんの本も読んでいたので、今日を楽しみにしていた。妖怪といえば遠野のイメージが強かったが、地元に関わる話も出てきてとても興味深く、面白かった。自分でも調べてみたい」と話す。

 荒俣さんは「岩手で妖怪というと、やはりかっぱや座敷童(わらし)が有名どころだが、それ以外にもまだまだ隠れている部分がある。岩手の文化や祭り、伝承などを掘り返してさかのぼっていけば、さまざまな由来と歴史につながると思う。若者たちにはいろんなものを見て、新しい発見をしてもらいたい」と呼び掛けた。

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