旧石井県令邸(盛岡市清水町)で11月20日から、ブルガリア共和国・新ブルガリア大学の教員と学生らによるアート作品を展示する「Bulgaria Art Ship in MORIOKA」が開催される。
同展覧会を企画するのは岩手在住の作家・本田綾子さん。本田さんは昨年12月にブルガリア共和国へ渡欧し、その際に縁あって新ブルガリア大学美術クラスの教員と学生と交流する機会を得たという。その中で、教員と生徒らの作品を借り日本で展覧会ができないかというアイデアが生まれた。距離があるブルガリアと日本を作品が結び、作品を通じてブルガリを知ってもらおうという思いを込め、展覧会のタイトルは、「船」を意味する「Ship(シップ)」と、「友情」という意味がある「Friendship(フレンドシップ)」から、「Bulgaria Art Ship」とした。
本田さんは「日本人にとってのブルガリアのイメージは限られていて、私自身も訪れるまでブルガリアがどんな国かあまり知らなかった。今ではまた訪れたい、多くの人にもっとブルガリアについて知ってもらいたいという思いもあるが、距離があるので気軽に行けるわけではないので、私たちの代わりに作品たちに旅をしてもらおうと思い付いた」と話す。
展覧会には新ブルガリア大学美術コースの教員・生徒合わせて19人による39点を展示。油彩やアクリル、水彩、デジタルアートなど、学生ならではのバラエティーに富んだ作風が集まり、日本ではあまり見かけない手法を取り入れた作品も並ぶ。コラボレーション展示として、盛岡大学文学部児童教育学科美術ゼミナールの生徒らの作品も展示するほか、23日にはチェロのミニリサイタルも開催する。
本田さんは「ブルガリアの学生たちの作品を盛岡で展示すること自体が珍しいと思う。ブルガリアの大学生も日本の大学生と同じように模索して、作品を生み出している。ブルガリアの学生たちがどのように生活して、何を考えているか作品を通じて感じ取ってもらえたらうれしい。ぜひ楽しんで」と呼び掛ける。
開催時間は11時~17時(最終日は16時まで)。入場無料。今月26日まで。同展は来年1月15日から札幌へ巡回予定。