盛岡観光コンベンション協会が山車40年記念展 市民参加の祭りへの歴史たどる

会場中央に展示されたミニ山車。壁には歴代の番付原画が並ぶ

会場中央に展示されたミニ山車。壁には歴代の番付原画が並ぶ

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 盛岡観光コンベンション協会が9月13日から、「プラザおでって」(盛岡市中ノ橋通1)2階ギャラリーおでってで、企画展「盛岡観光コンベンション協会の山車40年の歩み展」を開催している。

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 「盛岡八幡宮例大祭」の山車行事は約300年以上続く伝統の行事。今年は14日から始まり、8団体の山車が市内を練り歩く。同協会は1978(昭和53)年に初めて山車を運行し、今年で40回目を迎える。

 同協会が参加する以前は、各地域の消防分団、町内会、企業が中心に山車を運行していたため、一般市民が参加しづらい状況にあったという。運行する山車の台数が減る中、「盛岡の山車」の歴史を継承するため、当時の盛岡市長、工藤巌さんが参加を決定。例年一般市民から参加者の募集を行い、参加を希望する市民が参加しやすい環境を整えていった。

 同協会の藤澤徹さんは「盛岡市が山車を運行したことは、秋祭りが見るものから参加するものへ変わる大きなきっかけになったと思う。誰かが教えるわけではなく、おはやしのリズムや音頭上げの調子を何となく覚えているように、その技能が市民に伝わっていることは誇るべきことだと感じている」と話す。

 展示では同協会の歴代の山車を描いた番付原画や手拭い細工、ミニ山車のほか、実際の山車に乗る人形の衣装「揚巻の打掛」、初参加当時の映像や新聞記事といった貴重な資料が並ぶ。15日の15時からは、30年にわたり同協会の山車を運行する鈴木弘さん、山車資料館館長の畠山アヤ子さんをゲストに「山車運行40年、よもやま話」と題しギャラリートークを行う。

 同協会ではより多くの人に山車を楽しんでもらおうと初めて山車の運行コースを公開。GPSにより現在地が分かるシステムも導入した。藤澤さんは「市民の皆さんから、今度はもっと多くの人が参加できる山車を目指している。そのために新しいことに挑戦していく。盛岡の山車は動く総合芸術。その中には市民の皆さんが持つ技がぎゅっと詰まっている。盛岡の山車の歩みを見に来ていただければ」と呼び掛ける。

 開催時間は9時~17時。入場無料。今月21日まで。

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