NPO法人いわてアートサポートセンターでは現在、映像と演劇のコラボレーション作品「蛾と笹船」の映画製作スタッフを募集している。
同法人では昨年、岩手県文化振興基金の助成を得て、文化芸術講座「いわて塾・映像製作講座」を実施。その講座を発展させ、市民による映画作りの実践活動を行うとともに、映像製作の人材育成を目的に作品製作とスタッフ募集を企画した。
県内の愛好家の高齢化などを理由に岩手県芸術祭映像部門の出展作品が激減していることから、映像部門を運営する岩手県演劇協会と連携し、映像と演劇がコラボレーションする作品を製作。今後の映像製作部門を盛り上げる起爆剤となる作品を目指す。
同法人理事長の坂田裕一さんは「スマートフォンやデジタルカメラの性能が上がり、誰でも簡単に映像を撮ることができるようになった反面、作品を作る人は徐々に減ってきている。製作方法を学ぶ場を設けることで、作り手が増えれば良いと思う」と話す。
今回製作する「蛾と笹舟」は、盛岡出身の作家・森荘已池(もりそういち)の直木賞受賞作品を原作としたもの。映像に舞台上でのナレーションと生演奏がコラボレーションする。撮影監督及び公募スタッフへの指導は盛岡出身のプロカメラマン千葉真一さんが担当。市民スタッフは監督助手・撮影・記録・録音・照明などとして活躍する。今月から脚本の打ち合わせや撮影準備を開始し、7月から9月にかけて撮影、11月の上映を予定している。
坂田さんは「1人でも映像制作ができる時代なので、大人数で映画を作る経験自体なかなかできないと思う。もちろん、プロから学ぶことも貴重な機会。映画作りを通して仲間づくりも楽しんでほしい」と呼び掛ける。
対象は「いわて塾・映像製作講座」の受講者と、これから映像づくりを学ぼうとする一般市民で、年齢は問わない。定員は15人。参加費は2,000円。応募はメール(kaze@iwaet-arts.jp)もしくは電話(019-604-9020)、FAX(019-604-9021)で受け付ける。第1次募集は6月8日まで。詳しい情報はホームページで確認できる。