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盛岡・さわや書店で「謎の文庫本」話題に 全面帯で中身隠して販売

「ぜひ手に取って」と「文庫X」を薦める長江さん

「ぜひ手に取って」と「文庫X」を薦める長江さん

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 盛岡の「さわや書店フェザン店」(盛岡市駅前通)で、タイトルと内容を全く明かさず販売している「文庫X」が異例の売れ行きとなり、話題になっている。

「真夏の本の肝試し」の一角は異様な雰囲気に包まれている

 「文庫X」は、全面帯で表紙を覆い、ビニールで包んで内容が分からないように販売している文庫本。内容を推測するヒントは500ページ以上のページ数と810円という価格、帯に書かれた紹介文のみ。7月下旬に販売を開始し、店頭に出した60冊が5、6日ほどで完売。急いで追加分を入荷するほどの売れ行きを見せた。ツイッターなどで紹介したところ、さらに話題を呼び、SNSを通じて県外への販売も行っている。これまでの販売冊数は350冊を超えたという。

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 企画したのは同店スタッフの長江貴士さん。同文庫本は単行本で販売された時から同店一押しの1冊だったが、その当時はあまり売れ行きが伸びなかったという。文庫での発売となり、長江さんが温めてきた「内容を隠して販売する」という企画を実施した。

 帯の紹介文は長江さんの手書き。「この本を読んで心が動かされない人はいない、と固く信じています」「それでも僕は、この本をあなたに読んで欲しいのです」(原文ママ)など熱い気持ちを込めた。長江さんは「正直言って驚いている。こんなに売れると思わなかった」と話す。「帯を外して、かなり驚く人も多いが、ほとんどの人が読んで良かったと感想を寄せてくれる。この本を読んだ後、必ず心に何か残るはず。全ての人に自信を持って薦める1冊」と文庫を紹介する。

 同じく内容を隠して販売する企画として、8月末まで「真夏の本の肝試し」も開催している。こちらは「夏といえばホラー」という発想から生まれたホラー文庫フェア。ホラーテイストのイラストが描かれた全面帯で表紙を隠し、運試し感覚で本を購入してもらおうという試みとなる。用意した全58種類の文庫にはそれぞれ番号が振られ、内容のヒントが書かれた「魔よけ札」が1枚封入されている。札を見ながら選ぶこともできるが、選べない人のためにおみくじも用意。おみくじを引き、出てきた番号と同じ番号の文庫を購入することもできる。

 同店の田口幹人店長は「ここは遊び心でできている書店。本を読みたくても、何を買ったらいいか分からず、悩んでいる人の背中を押したいと考えた企画でもある。文庫Xもホラーフェアも、楽しんで本を選んで購入するきっかけとなればうれしい。もっとたくさんの人に新しい本と出合ってほしい」と呼び掛ける。

 営業時間は9時~21時。

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