盛岡さんさ伝承会もいちは現在、自前の浴衣でパレードに参加する「自由浴衣組」のメンバーを募集している。

　同会が踊る「茂市さんさ踊り」は、昭和初期に盛岡の商人が宮古市茂市に伝え広まったといわれている伝統さんさで、力強く躍動感のある独特の踊りと、太鼓の縁と中央だけではなく縁近くの部分もたたくリズムが特徴。近年は継承者が少なくなり、再び盛岡で広めるために伝承活動を行い、パレードのほか各種イベントにも参加している。

　「自由浴衣組」の募集はそろいの衣装を用意する負担を減らし、気軽にパレードに参加して同会の踊りに親しんでもらい、継承者の幅を広げる意味もあって企画したが、「誰でも楽しく参加できるさんさ踊り」が一番の目的だという。同会広報担当の平賀安里さんは「そろいの浴衣・花がさ・腰帯などをそろえるだけで経済的に負担が大きい。自分の持っている浴衣で参加することで、伝統さんさはもちろん、さんさ踊り自体もっと気軽に楽しめるというイメージに変えていきたい」と話す。

　参加の条件は、同会が出演する8月3日のパレードに出られることと、パレードで踊る「組踊り1番」「参拝」「甚句」の3曲の振りを覚えること。練習会は市内各所で週3回行っているが、ユーチューブにも見本動画を配信。練習会に参加できない人や遠方に住む人でも、自宅などで自主練習ができるよう工夫した。

　パレード本番まで1カ月を切り、県外からも参加者がいるが人数はまだまだ少ないという。平賀さんは「今年からさんさ踊りを始めたいと思っている人や、他の地域から転勤してきた人は地元の団体や大きな団体には入りづらいと思う。その点、誰でも自由に気負わず参加できるのが『自由浴衣組』の良いところ。一緒に楽しくさんさ踊りに参加しましょう」と呼び掛ける。

　申込用紙に必要事項を記入し、参加費を添えて練習会場へ持参することで参加できる。申込用紙は同会ブログなどからダウンロードできるほか、練習会場にも用意する。参加費は大人＝1,300円、小中高校生＝300円、幼児は無料。