
美容室chinon(盛岡市菜園)では今年に入り、店主の多田光利さんが作る医療用ウイッグを、すでに8人に販売している。
医療用ウイッグとは、主に抗がん剤治療などで脱毛した人向けのウイッグで、本人の頭の形や脱毛前の髪を忠実に再現している。一般的なかつらとは違い、全てオーダーメードで製作するのが特徴だ。治療が終われば髪の毛はまた生えてくるため、ウイッグはそれまでの間使用する。また、普通の髪と同様に、美容室でカットしてもらいながら、利用者は好きな髪型にすることができる。
現在、この医療用ウイッグを扱っている美容師は全国でも40人しかいない。東北では3人。県内では多田さんただ1人。定期的なメンテナンスが必要で、全てがオーダーメード。製作には高い技術が要求され、価格も技術の割りに安価なため、慈善事業という側面が大きい。そういった背景から技術者は非常に少ない。
多田さんは「身近な人の闘病生活を目の当たりにし、自分にも何か手伝えることがないか」と模索し、医療用ウイッグにたどり着いた。昨年から東京の学校に通い、技術を身に付け、今年から製作に携わった。すでに8人のウイッグを製作している。
多田さんは「女性にとって髪の毛を失うのはショックなこと。ウイッグがあることで前向きに考えられる」と話す。利用者の女性は「違和感もなくすごくフィットしている。気持ちもポジティブになれるし、カットしてもらえてうれしい」と明るい声で答えた。
価格は、カット代やメンテナンス代、サイズチェンジ込みで12万6,000円。問い合わせは同美容室(TEL 019-625-6806)まで。