今年3月11日からヒッチハイクで日本一周しているメッセージパフォーマー「ロボットのぞみ」さんが6月中旬から盛岡を訪れている。
のぞみさんは、東北の様子、震災体験談を映像に残したいと、震災当時に居た新宿から3月11日にヒッチハイクの旅をスタートさせた。この3カ月で福島、宮城、岩手を回り、これまでに約1500人に出会った。路上パフォーマンスで資金を稼ぎながら、旅の様子を撮影し動画サイトで配信している。ゆくゆくは撮影した映像を使って映画も制作したいという。
のぞみさんは、命を持たないロボットが生命に出会って変わっていくという物語をパントマイムで表現。両親がおらず祖母に育てられ親の愛情を知らないという生い立ちから生まれたのがロボットのモチーフだった。「お客さんが想像して、いろいろな人生を自分に当てはめながらロボットを見てもらえる形にしていきたい」と話す。
現在はパフォーマーとして仕事をこなす中、心理カウンセラーの資格取得のために学校へ通っている。ツイッターでは親身になって人生相談にも応じる。「パフォーマンスを取り入れた心理療法を広めて、人の心を癒やせるようになりたい」と将来の夢も語る。
「東北以外の人は、『震災は大変だったね』というが、実際に足を運ぶと東北の人たちは想像以上に強かったり笑顔だったりする。そういうもの(震災がテーマの作品)を作っていいのかと自問自答する時もある。でも、震災があったことは、いろんな人たちの体験談で世の中に残していかなければならないと思っている」と、東北を旅することへの思いを語る。
盛岡では、6月16日に行われた「もりおかワインフェスティバル」でパフォーマンスを披露するなど活発に活動している。盛岡滞在中は路上などでパフォーマンスを行う。
今後は、ヒッチハイクで陸前高田か秋田青森方面を目指したいという。