1月12日、藤沢体育堂(盛岡市大通3)で、米メジャーリーグで活躍するイチロー選手や先月引退を表明した松井選手のバットを作ったことで知られるミズノバットマイスター久保田五十一さんのバット削り実演会が行われた。
店内は、小学生から高校生まで多くの球児とその保護者で埋め尽くされ、1日2回の実演に100人以上の人が訪れた。久保田さんは、バットの作り方から、それを使う選手の話など、子どもたちが興味を持つよう工夫しながらバット削りの実演を披露した。
バット作りは、くいのような形状の木材を少しずつ削り、1ミリ単位で調整していく作業。今回は削りだけの実演を行い、わずか20分間で1本のバットを削り終えた。イチロー選手の場合、年間80本(練習用40本、試合用40本)のバットを使用する。また「木は削ってみなければ、バットとして使えるかどうかが分からない」ということから、年間800本もの木材が必要になる。バットに適した木も、自らカナダまで赴いて調達する。久保田さんは、1本のバットを作ることの大変さや植樹の大切さまでを子どもたちに丁寧に説明した。
実演後は質問コーナーが設けられ、子どもたちはもちろん大人たちも興味津々で、「子どもにどんなバットに与えたらよいか」「選手によってバットに違いがあるのか」などの質問が飛んだ。
同実演会を開催した藤沢体育堂マネジャーで、少年野球チームの監督でもある藤沢俊輔さんは、「今日見に来た子どもたちの中から、いつか久保田さんにバットを作ってもらえるような選手が生まれてくれたらうれしい」と話す。
藤沢体育堂では、今後も野球道具に関するイベントを開いていく予定だ。