岩手県は11月14日、恒例の年賀状用フリー素材の配布を始めた。
今回は震災があったことから新年を祝う気持ちになれない人へ配慮し、祝いの言葉に代えて「今年が良い年でありますように」とし、力強く「三陸復興」の文字を毛筆で記した。揮毫(きごう)はダウン症で次のNHK大河ドラマのロゴを手掛ける書家の金澤翔子さんに依頼した。
背景の素材は4パターンで、一つは無地で毛筆の文字のみ。ほかは三陸沿岸の写真で、ニュースでも数多く取り上げられた陸前高田の一本松、被災後の浄土ヶ浜、復興マラソンが行われた仙人峠の3パターンで、素材は今後も増やす予定。
担当した県沿岸広域振興局産業振興課の松本哲さんは「今回の震災では県内外から多くの人に助けてもらっている。『三陸復興』の言葉で、多くの人に支えられながらも岩手は頑張っているというメッセージを発信していければ」と話す。
揮毫に協力した金澤さんの母・泰子さんは「苦しくても生きてさえいれば、人生に絶望はない」とコメントを寄せている。
素材はJPEGファイルで紙はインクジェット用。県のホームページから無料でダウンロードできる。