若者の就職支援をするNPO法人未来図書館(盛岡市肴町、TEL 019-654-6601)は10月29日、岩手県立大学アイーナキャンパスで「国際派キャリアセミナー」を開催した。
当日、講師として壇上に立ったのはアメリカでのマンガブームの仕掛け人として知られるビズメディア会長の堀淵清治さん。約30人の大学生や社会人を前に約2時間の講演を行った。
講演の中で堀淵さんは、20年前に自分がアメリカに渡った経緯や日本のマンガをアメリカで広める仕事をするに至った話のほか、日本とアメリカのマンガ市場の違いや販売ルートの確立に奔走した苦労話なども披露。また、(マンガを原作とした)日本映画やファッションを紹介する「J-POP CENTER」を現在本社のあるサンフランシスコで設立する計画など、新たなビジネス展開についても触れた。
講演の最後には、これから就職活動を控える学生に「とにかく(ここから)出ること。こじんまりとまとまらないで、今置かれている自分の属性から飛び立ってほしい」とエールを送った。「若気の至りも大切。ぜひ若気の至りも実行してみてください」とも。
堀淵さんは早稲田大学を卒業後、アメリカに渡りヒッピー生活を経た後、1986年に小学館の出資を受けて日本漫画専門の出版社「ビズコーポレーション」をサンフランシスコで設立。当時はほとんど認知されていなかった日本のマンガをアメリカに紹介。ドラゴンボール、ポケットモンスター、NANA、NARUTO、月刊少年ジャンプなどを英語版で次々にヒットさせ、アメリカで「MANGAブーム」を引き起こした。現在は社名をビズメディアとし、マンガの出版のみならず映画、ホームビデオの販売、ライセンス管理も手がける。著書に「萌えるアメリカ」(日経BP社)がある。
同セミナーではこれまでにも、大手通信社支局長やNGO代表、IT企業家、地元の酒造メーカー社長など世界を舞台に活躍するキーパーソンを迎え、主に就職を控えた学生を対象に講演を行ってきた。今後は11月12日にりんどうの栽培の研究開発を行っている日影孝さん、30日には「日経ビジネスアソシエ」編集者、小田舞子さんを迎えて講義が行われる。開演時間はいずれも18時~。参加費は学生=500円、一般=700円。