世界妖怪協会が認定する「怪遺産」に岩手県遠野市が選ばれ、同市民センターで9月26日に認定式が行われた。
怪遺産は、妖怪をテーマに執筆活動をする漫画家や小説家らが設立した同協会と角川書店の妖怪マガジン「怪」が選定するもので、今回で3回目。これまでに水木しげるさんの出身地・鳥取県境港市とこなきじじいい発祥の地とされる徳島県三好市山城町が選ばれている。今回はカッパや座敷童の伝説が伝わること、遠野物語(柳田国男著)が今年発刊100周年を迎えることなどから受賞となった。
同協会会員で作家の京極夏彦さんは「妖怪は人のいるところにいる。人といかに共存しているかが重要」とし、「(遠野市は)本来なら1回目の受賞でもおかしくない」と話した。同じく作家の荒俣広さんは「いずれ『世界遺産』になるでしょう(笑)」とも。
市民を代表して賞状を授与された本田敏秋市長は「こんなにうれしいことはない。この地に息づく文化を大切にしていきたい」と話した。
認定式に先立ち舞台上では、盛岡市在住の作家・高橋克彦さんと荒俣さんによるトークイベントが行われ、遠野物語に影響を与えたと言われる「遠野古事記」について対談を行った。