雫石町で「ユニバーサルデザインフード」講演会-食べやすくおいしい介護食紹介

会場には有料ながら60人以上が訪れ、ユニバーサルデザインフードへの関心の高さをうかがわせた。写真右は講師の佐山博明さん。

会場には有料ながら60人以上が訪れ、ユニバーサルデザインフードへの関心の高さをうかがわせた。写真右は講師の佐山博明さん。

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 雫石町まちおこしセンター(仮称、雫石町)で3月2日、「食のユニバーサルデザイン講演会」が行われた。主催は雫石町商工会。

試食で振る舞われたユニバーサルデザインフードのフランス料理

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 講師はユニバーサルデザインフードのレシピ作りを自らの店で実践するフランス料理店「モン・ラパン」のオーナーシェフ、佐山博明さん。当日は町民や業界関係者ら60人以上が参加し、「食による人にやさしいまちづくり」をテーマに、糖尿病やハンディキャップを持つ人のための食事づくりについて学んだ。

 通常食と病院食の中間に位置付けられるユニバーサルデザインフードは、大別して義歯食や嚥下食(えんげしょく)など食行動を円滑に促す「食べやすい食事」と糖尿病などでカロリー制限が求められる「低カロリー食」の二つがある。

 講師の佐山さんは、活動拠点とする茨城県笠間市で実践する「楽食の会」の取り組みの事例について紹介。自店で提供するメニューを紹介しながら、ユニバーサルデザインフードの特徴でもある「食卓を囲む家族と見た目にも同じ食事」について話した。

 「食べることは、生きる上での大きな楽しみ。介護の現場などでは、食べやすくするために、場合によってはミキサー食(流動食)に頼りがちになるが、そうなればなるほど食事は味気ないものになる」と佐山さん。「食材の方に油をつけて焼いたり、低温で長時間かけて調理する真空調理など工夫をすることで、低カロリーで食べやすい『おいしい食事』を提供することができる」と話す。

 調理を交えた実践セミナーでは、コンニャクを使った米粒状の食材やカロリーを抑えながらもボリューム感のあるメニューの作り方のポイントを紹介。「圧力鍋やグリル、ソテー、真空調理法などを組み合わせることでカロリーを抑えた料理ができる」と説明した。佐山さんの料理店ではフランス料理1コースで550キロカロリー程度のメニューを提供しているという。

 参加した介護施設で調理を担当する男性は「現場では、それぞれ人の食事に好みがあるところが大変。カロリー計算や調理方法などとてもためになった」と話していた。

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