盛岡の高松神社(盛岡市高松3)例大祭で6月16日、「ツルカメ七頭舞(ななづまい)」の奉納踊りが行われた。躍動感あふれる踊りに、会場からは拍手と声援が沸き起こった。
踊りは、県内の郷土芸能を研究しミニコミ誌の発行も手がける飯坂真紀さん(盛岡市在住)や市職員の田口善政さん(同)ら有志十数人が、岩泉町小本に伝わる「中野七頭舞」に影響を受けたことから、10年前に同好会の形で踊り始めたのがきっかけ。同町出身で盛岡市に住む長崎智志さんから踊りを教わり、2年後の2002年から同神社の好意で踊り始めたという。
「すでに踊り手の年齢もちょっと高かった」(飯坂さん)ことから、名称は「中野」から「ツルカメ(鶴亀)」に。アップテンポで地鳴りがするほど激しい踊りに息も上がるが、それでも約30分間を踊り終えた「ツルカメ」の有志たちは、満足げな様子だ。
さまざまな神楽や伝統舞踊が残る岩手県内にありながら、この踊りの元祖「中野七頭舞」はむしろ県外で知名度が高い。愛好家は首都圏を中心に各地に散らばり、年に1度、岩泉町で行われる「研修」には、全国から200人近くが集まることもあったほど。現在は「指導者の高齢化」から、それでも80人ほどが毎年同町で「研修」を受けるという。
「ツルカメ」の有志らは、今も月1度の練習を欠かさない。「最初は、格好良さにあこがれて始めたが、踊りが複雑でとにかく覚えるのが大変だった」と飯坂さん。「でも、4年ほど前からは(高松神社での奉納舞も)地元で知られるようになり、お花(花代)もいただけるまでになった」と素直によろこぶ。
盛岡で同踊りを伝承する「ツルカメ七頭舞」では、現在踊り手を募集している。問い合わせは飯坂さん(TEL 019-662-4513)まで。