パン店「tetocopan(てとこぱん)」(盛岡市本宮3)が12月10日にオープンした。
店主の阿部直也さんは、岩手県内でチェーン展開するパン店「ミッシェル」に、学生アルバイト時代を含めて20年ほど勤務。製造部門だけではなく、新規店舗の立ち上げにも関わってきた。「こんなに勤めると思わなかった。いろんな店舗の状況を見ることができたのは勉強になった」と阿部さん。働きながらパン業界の技術の進歩を肌で感じる中、「勤めている店の味を守るだけではなく、新しいレシピを使ったパン作りに挑戦したい」という思いで独立を決めた。
阿部さんは「この生地はどんな味がするんだろう、こういう作り方のパンはどんな味がするんだろうという興味から、自分の店を開くことを考え始めた。妻に『いつお店を開くの?』と背中を押してもらったのもきっかけの一つ」と笑顔を見せる。
同店で提供するのは県産・国産の小麦を中心に使ったパンで、常時20~30種類を取りそろえる。日々の食事に取り入れられるパンを目指し、食パンや塩気のある具材を使ったパン、クリームやチョコレートを入れた甘いパンなど幅広く用意する。阿部さんのお薦めは、県産小麦を熱湯で練った生地を使う「南部小麦の湯種食パン」(442円)や、ハード系の「スペルト小麦のフランスパン」(399円)、クロワッサン(291円)。
秋田県大曲市のコーヒー店「FOG COFFEE」が同店のクロワッサンの味に合わせて選んだコーヒーも販売。ホットコーヒー(378円)、カプチーノ(432円)などを提供する。
店名の「tetocopan」は、手と粉から取って、「自分が作れる範囲で、自分の手が届く範囲でパンを作ろう」という思いも込めた。「店名のことも含めて、来てくれた人とスタッフの会話が広がればいいなと思っている」と阿部さん。「それぞれのパンの小麦の香りや食感を楽しんで、味わってもらいたい」と話す。
営業時間は10時~17時。月曜・火曜定休。