国の登録記念物、盛岡市指定保護庭園・景観重要建造物の「南昌荘」(盛岡市清水町)で11月12日、「紅葉の庭園ライトアップ」が始まった。
同施設の紅葉ライトアップは2010(平成22)年に始まった恒例行事。庭園にはヤマモミジを中心に約50本の紅葉する樹木があり、敷地が住宅地に囲まれて寒気にさらされることが少ないため、周辺の公園などに比べてゆっくりと色づく。
施設を所有・管理する「いわて生協」の牧野典子さんは「今年は厳しい暑さが長く続き、雨も少なく、きれいな紅葉が見られるかはらはらしていたが、ご機嫌よく色づいてくれてほっとしている」と笑顔を見せる。
今年はライトアップの始まりに合わせるように紅葉も見頃を迎えたという。初日から多くの人が訪れ、庭園に設置されたライトが赤や黄色に色づいた葉を照らし出す幻想的な風景や、池に映りこんだ紅葉を眺める姿が見られた。施設内の「南昌の間」では、30畳の板の間に映り込む「床もみじ」を楽しめる。
市内から家族で訪れた高橋紘子さんは「初めて来たが、想像していたよりも美しくて驚いた。黄色や赤のモミジと、紅葉しない緑色の葉のグラデーションがきれいで良かった」と話す。
牧野さんは「今年はクマの出没が多く、気軽に山へ紅葉狩りに行ける状況ではなくなってしまった。仕事帰りや学校帰りに気軽に立ち寄って、街中の庭園で季節の風景を楽しんでもらえれば」と話す。
期間中の開館時間は10時~19時30分(最終入場は19時)。点灯は16時30分から。入園料は大人=400円、小中学生=200円。今月16日まで。期間中、喫茶コーナーは休止する。