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「盛岡しょうが市」が5年目の開催へ 心と体と地域とのつながりを温め続けて

今年の「盛岡しょうが市」のリーフレットと生姜町の由来を解説する看板

今年の「盛岡しょうが市」のリーフレットと生姜町の由来を解説する看板

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 盛岡市内の飲食店でショウガを使った限定メニューの提供などを行うイベント「盛岡しょうが市」が11月8日に始まる。

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 現在の肴町から八幡町周辺が「生姜町(しょうがちょう)」と呼ばれていたことにちなんで企画された同イベント。旧生姜町地域にあった「神明社」で、祭礼日の参道にショウガを売る市が立っていたことが町名の由来とされている。「ショウガはけがれをはらい、神明に通ずる」という意味から、例祭ではショウガが奉納されていたといい、神明社が盛岡八幡宮に遷座された現在も例祭日にはショウガが奉納されている。

 この風習と町名に感銘を受けた陸前高田市のショウガ農家・菊池康智さんが2021年にイベントを立ち上げた当時は新型コロナウイルス感染症の流行が続く中で、「ショウガが皆さんの心身から悪を遠ざけるように」という思いも込めた。

 実行委員会広報担当の田村優子さんは「イベントや外食の形が変化し続ける5年間をも続けてこられて良かった。しょうが市と生姜町のつながりについても地域の皆さんに広まっているように感じる」と話す。

 今年は21店舗が参加予定。菊池さんが育てた「三陸ジンジャー」を使い、イベント期間限定メニューを提供する。初日には毎年恒例の「盛岡しょうが市感謝祭」を10時~15時に開催。会場は旧生姜町地域の「御幸新道(みゆきしんどう)」で、三陸ジンジャーやショウガを使った料理を販売する。今回は陸前高田市や大船渡市など沿岸地域からの出店もある。

 感謝祭に併せて、特別イベント「生姜町映画祭」を「杜陵老人福祉センター」で開催。かつて生姜町にあった岩手初の映画館「生姜町紀念館」の開館から110周年の節目を迎えることから、同館の創設者・円子正による作品「“岩手の輝き”light of IWATE」を上映する。大正時代の盛岡を記録した無声映画で、完成したばかりの開運橋や木造の県庁舎などが映っているという。当日は簡単な解説を付けながらの上映を予定している。

 田村さんは「しょうが市は、食、文化、暮らしを網羅した取り組みに育ってきた。盛岡の歴史をひもとき、新しい魅力を知るきっかけになれば。どの店から行こうか考えながらショウガメニュー巡りを楽しんで」と呼びかける。

 11月23日まで。参加各店と感謝祭出店者の情報はインスタグラムとフェイスブックで発信する。

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