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ZOOMOに新たな移動手段「ズーモービル」 来園時の坂道の悩みを解決へ

坂道でも安全に停止し動物をじっくり見られる

坂道でも安全に停止し動物をじっくり見られる

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 盛岡市動物公園ZOOMO(盛岡市新庄)が10月14日、園内を移動するための1人乗りの乗り物を貸し出すサービス「ZOOMO-BILE(ズーモービル)」の運用を始めた。

ZOOMOの特徴でもある急な坂道を下る「ZOOMO-BILE」

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 同園は里山の中に位置し、森に囲まれた自然豊かな環境が特徴。その一方で、地形を生かした園内は広く、坂道が多く、数十メートルの高低差があるため歩くのが大変という来園者が多いのも課題となっていた。

 2008(平成20)年~2019年はワゴン車を使った「シャトルカー」を運行していたが、2023年のリニューアルにより園路が狭くなったためワゴン車が走るのが難しくなり、シャトルカーは運行を終了。代わりに休憩できるベンチなどを園内に増やしたが、「坂道シャトルカーを復活してほしい」という声もあり今年4月からは電動車を活用したシャトルカー「ZOOMO BUNNY GO!」を土曜・日曜・祝日限定で運行している。シャトルカーは2カ所の停留所を往復するため、停留所まで移動しないといけない点や、目当ての動物がいる場所で乗り降りできない点などが課題となった。

 園長の辻本恒徳さんは「高齢者や体力がない人がZOOMOへの来園を諦めるという話も聞いていた。ZOOMOの来園者は特定の動物のファンやグループが多い。好きな動物の前で長時間止まったり、グループで一緒に歩いたりできるように、個人で操作できる移動手段を探していた」と話す。

 そこで導入したのが、電動車いす型の1人用モビリティー「WHILL(ウィル)」。10度の傾斜や5センチの段差を走ることができ、テーマパークや動物園などの観光施設で導入例がある。レバーを使って個人で操作が可能で、電動のため走行音が静かなことも理由に導入を決めたという。愛称は「ZOOMO-BILE」と付けた。

 時速1~4キロで走行できる設定で、レバーを操作しない状態では常にブレーキがかかっているため、坂道で車輪が動くこともない。前輪は複数の車輪を組み合わせて構成する特殊なタイヤで小回りが利き、狭い園路でも走行しやすい特徴がある。

 辻本さんは「高齢者や体の不自由な人、体力に自信がない人など、歩くという面でZOOMOから足が遠のいていた皆さんにもう一度来園してもらえる選択肢が増えたと感じている。皆さんがまた訪れてくれることを願う」と話す。

 利用料金は1日1,500円。貸し出し対象は18歳以上で、体重115キロ以下、着座時に足置きに足が付く人。

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