
「いわて星野富弘花の詩画展」が現在、「いわて県民情報交流センターアイーナ」(盛岡市盛岡駅西通1)5階「ギャラリー・アイーナ」で開催されている。
詩画作家の星野富弘さんは、20代の頃に事故で頚髄を損傷し、手足の自由を失った。入院中に筆を口にくわえて花の絵などを描き始め、やがて詩の余白に絵を添える詩画のスタイルになったという。昨年4月に78歳で亡くなった。
盛岡で星野さんの展覧会が開かれるのは19年ぶり。主催する「いわて星野富弘花の詩画展を開く会」の会長・山内まどかさんは、小学生の時に星野さんの本に出合った。「子どもの頃は詩の内容については分かっていなかったが、とにかく絵が素晴らしいと感じて、口で描いていることにすごいなと驚いたのを覚えている」と山内さん。「大人になって詩の内容を深く理解し、星野さんの人生を知った時に、岩手で展覧会が開けないかと考えていた」と話す。
昨年11月に他県で星野さんのファン有志が展覧会を開いていることを知った山内さん。星野さんの作品を常設展示している「富弘美術館」に問い合わせると、ボランティアグループ「富弘美術館を囲む会」が各地での開催を支援していることが分かり、盛岡での開催にこぎ着けた。
今回は星野さんの詩画70点を展示。花の絵に、自身を支えてくれた母親への思いや命について、生きることについて、祈りについてなどの詩が添えられている。会場では来場者が作品の前で足を止め、星野さんの絵と言葉をじっくり眺める様子が見られた。
山内さんは「毎日会場にいるが、飾っている作品を見るたびに、その日ごとに響く詩や絵があることに気付いた。来場する皆さんの心に寄り添う言葉がきっとあると思う。生きることや命、愛についての言葉だけではなく、思わず笑ってしまうようなユーモアにあふれる詩もあるので、皆さんのその時のお気に入りを見つけてみて」と話す。
開場時間は10時~19時(入場は18時30分まで)。入場料は大人=800円、高校生=400円、中学生以下無料。9月21日まで。