
もりおか町家物語館(盛岡市鉈屋町)で現在、「昭和百年目の…町家のお化け屋敷」など、お化け関連事業が行われている。
子どもたちが描いたお化けのイラスト展。どのお化けがお化け屋敷に登場するかは秘密とのこと
同館のお化け屋敷は2015(平成27)年に開館1周年の記念企画として、同館名誉館長の作家・高橋克彦さんのプロデュースで初開催。以降、夏の恒例イベントとして新型コロナ禍での中止を挟みながらも継続してきた。昔懐かしい昭和時代のお化け屋敷をコンセプトに、来場者を突然脅かすような演出は避けているが、時事的なテーマを盛り込むなどスタッフらが工夫を凝らして怖がらせている。
今年は「お化け屋敷 皆で創れば より怖い」を目標に掲げ、子どもを対象に町家で会いたいお化けのイラストを募集。集まった中から優秀作を選び、作品を基に制作したお化けが登場する。加えて、過去最長となった昨年よりもルートを長くし、会場内の暗さにもこだわった。今年が昭和100年に当たることから昭和の街並みをイメージしたエリアも設け、たくさんのお化けが集まっているという。
「脅かすのではなく、怖がらせるのが昭和のお化け屋敷」と館長の盛合なおとさん。「制作を担当するスタッフに聞くと、会場は変わっていないので、同じ場所でどう歩く距離を伸ばすのかは相当悩んだようだ」と話す。
夏休みシーズンに入り、お化け屋敷は子どもたちや親子連れでにぎわう。会場内の暗さに途中で進めなくなって助けを呼ぶ子どもや、恐怖のあまり途中で引き返してくる子どももいるという。盛合さんは「子どもたちが楽しんだり怖がったりする様子が毎日聞こえてきて、こちらもうれしい。お化け屋敷が終わると寂しくなる」と笑顔を見せる。
お化け屋敷の会場「浜藤ホール」に隣接する大正蔵2階では、募集したお化けイラストを全作品展示しているほか、毎日14時から「怖~いお話の会」を開催。事前に募集した「怖い体験談」をベースにした話や民話、怪談などの怖い話を語り部が紹介する。今月9日の11時からは特別公演として、小さな子ども向けに怖さを抑えた「こわ~いおはなし会」も開催する。
盛合さんは「市民と一緒に作ることで、お化け屋敷や怖いお話会に新しい息吹が吹き込まれたように感じている。皆さんと一緒ににぎやかに怖さをつくっていきたい。連日暑さが厳しいが、お化けに会って涼んでもらいたい」と呼びかける。
開催時間は、お化け屋敷=10時~17時(最終入場は16時30分)、お化けイラスト展=9時~19時(最終入場は18時30分)。お化け屋敷の料金は一般=800円、高校生以下=400円、未就学児無料。大正蔵2階の催しは無料。8月19日まで。