
企画展「マチノカタチ-盛岡城下町の都市プラン-」が現在、もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で開催されている。
現在の盛岡、特に中心市街地が盛岡城を中心として建設された城下町であることをテーマにした同展。担当学芸員の熊谷博史さんは昨年、現存する盛岡城関連資料から盛岡城の実態を探る企画展「城の跡」を企画し、「次は街全体を取り上げよう」と考えていたという。
「城下町の風情が残る、情緒があるとロマンチックな紹介をされることが多いが、城下町は計画的に造られた街」と熊谷さん。「城下町とは何か、盛岡のどこに城下町としての機能があり、どんな役割を果たしていたか、現在に残る建物や道、地名から痕跡をたどることができる。それを深く知ってもらうきっかけになれば」と話す。
展示は城下町の形状と構成にそれぞれ焦点を当てる2章構成。現存する盛岡城下町図を中心に、絵図や街道図、文書、図面、日誌など城下町としての機能や役割を理解するために役立つ資料を並べる。城下図は江戸時代前期から末期の7枚を展示。熊谷さんは「江戸時代は250年続いたので、城下図にも変化がある。城下図が作られた時代、街の大きさ、建物の違い、地図の目的などのポイントで城下図を見比べて、変わったところや今も残っているものを見つけて」と話す。
各章では交通網や防衛設備、藩の施設、武士、町人など城下町の機能や形状、暮らしている人に着目。2章の城下町の構成では、現代に残る町名に関連した資料も並び、城の近くの「内丸」「下小路」「大沢川原」などには武士が住んでいたことや、「こんやまち」から「こんやちょう」、「さかなまち」から「さかなちょう」など町名が変化していったことを紹介する。
熊谷さんは「城下町は藩主がいる城を守り、戦う形にもなっている。城の周りには武士が住み、武士の暮らしを支えるために町人が住む地域があり、そして神仏の力で城を守る寺社仏閣がある。展示を見た後に、実際に街を歩きながら城下町の名残を探し、『ここがこうなっている理由は』と考えながら盛岡を楽しんでもらいたい」と呼びかける。
開館時間は9時~19時(入場は18時30分まで)。入場料は、一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。盛岡市内在住・就学の65歳以上と小・中学生は無料。7月6日まで。