
「三陸鉄道開業40周年写真展」が現在、岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)4階「I-ルーム」で行われている。
三陸鉄道が昨年開業40周年を迎えたことを記念し、40年の歴史を振り返る記念事業として同社が沿線市町村などで開催してきた同展。展示を見た図書館の職員が「図書館でも展示したい」と声をかけ、巡回展が決まったという。
展示は三陸鉄道の車両をモチーフにしたデザインのパネルに、60枚以上の写真が並ぶ。開業当時や国鉄時代の写真、東日本大震災の発災日2011(平成23)年3月11日に撮影された写真、震災後の復旧作業、2019(平成31)年のリアス線開通時といった三陸鉄道の歴史が分かるもののほか、新緑や雪の中、海沿いなど日常の景色の走る車両を写した写真が並ぶ。3月10日~16日の蔵書点検休館後には写真を一部入れ替える予定。
今回の展示を担当する上杉莉奈さんは「2011年の震災、2019年には台風の被害も乗り越えてレールをつないできた三鉄を、盛岡からも応援したいという気持ち。三鉄は地域住人の足として生活に密着している鉄道。その様子も写真を通じて感じてもらいたい」と話す。
併せて、図書館の職員が選んだ「さんてつを知る20冊」も展示。写真集や手記、震災学習列車の取り組みを紹介する書籍などを選び、展示パネルのそばに用意した。
展示を行う「I-ルーム」は震災・防災の学び合いスペースとして、自然災害と防災に関する資料をまとめるほか、定期的に災害や防災に関連するイベントを開催している。3月20日には、「震災・防災つながるカフェ」と題し、東日本大震災発災当時の小中学生や、震災伝承学習に取り組む高校生をゲストスピーカーに迎え、取り組みついてオンラインで発表するセミナーを開催する。開催時間は13時30分~15時30分。I-ルーム現地とオンラインでの参加が可能で、オンライン参加の場合は3月18日までにメールでの申し込みが必要。
上杉さんは「沿岸地域は山林火災で大変な状況。ここで写真を見たことで、三鉄に乗りに行くきっかけになれば」と話す。
開館時間は9時~20時。3月16日までと各月末は休館。5月29日まで。