
盛岡市立図書館(盛岡市高松1)が現在、東日本大震災に関連する図書の展示などを行っている。
同館では毎年、東日本大震災の発災時期に合わせて関連図書の展示を行ってきた。毎回、担当者がテーマや切り口を決めて展示する本などを選んでいるが、今年は「風化を防ぐ」がテーマになっている。
館長の伊藤佳子さんは「震災から間もなく14年がたとうとしている。当時0歳だった子が中学生になり、震災を覚えていない子、全く知らない子どもたちが増えてきた。私たち大人の記憶も少しずつ薄れてきている。機会を設けて伝えていくこと、思い出すことは、大切だと思う」と話す。
展示は3階「たかまつギャラリー」と2階「こどもライブラリー」で展開。たかまつギャラリーには、主に震災当時の様子や復興の記録を記した写真集や手記を展示する。たかまつギャラリーは、本をテーマ別に並べる「テーマ書架」に囲まれたエリア。テーマ書架の中に「災害」があることからこの場所を選んだ。災害の書架には東日本大震災のほか、昨年発生した能登半島地震に関連する本や、防災、災害ボランティアの本が並んでいる。
2階のこどもライブラリーには絵本や児童書を展示。震災当時、どんなことが起こったのか、子どもたちはどのように過ごしてきたのか、こどもライブラリーを利用する子どもたちと同じような年齢の子どもたちの体験を知ってもらえるような本を選んだという。
2階「もりおかサロン」では、岩手県が製作した沿岸部の復興の歩みを伝えるポスターを掲示する「3.11復興ポスター展」も同時開催している。
「子どもたちには、自分と同じ子どもの目線で著されている本を通じて震災を知ってもらえば、当時のことが伝わりやすいのでは」と伊藤さん。「職員たちが震災のことを伝え続けようと、心を込めて準備を進めてきた。東日本大震災を遠いものだと感じる人も多くなっていくと思う。繰り返し取り上げていくことに意味がある」と話す。
開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。3月12日まで。