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「ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング」(盛岡市盛岡駅前北通)の日本料理「対(むか)い鶴」で3月7日、砂壁(しゃっかべ)製米舎(雫石町)とのコラボレーションイベントが開催される。
砂壁製米舎の砂壁純也さん(写真提供=ホテルメトロポリタン盛岡)
砂壁製米舎は、酒米を中心とした稲作栽培を行い、県内外やハワイの酒蔵と契約して酒米を提供している。同社社長の砂壁純也さんはサラリーマンとして働いた後、農家へと転身。雫石産の酒米と岩手山の伏流水を使った地酒を造る「ひと雫(しずく)の酒プロジェクト」を立ち上げ、地元農家や県内の酒蔵などと協力した日本酒造りにも取り組んできた。
「対い鶴」のマネジャー・岩田暁典さんは砂壁さんがサラリーマンだった時に知り合い、「ひと雫の酒プロジェクト」の手伝いもしていたという。岩田さんは「酒米作りにかける彼の情熱や、日本酒に対する熱意を近くで見ていて、いつか一緒に組んで何かやりたいねと話してきた。ようやく実現できる」と喜ぶ。
イベントのタイトルは「おいしいという笑顔のためにお米を作る」という砂壁さんの思いから「酒米から生まれた物語 日本酒で結ぶ笑顔」とした。当日は、菊の司酒造(雫石町)、南部美人(二戸市)、わしの尾(八幡平市)、浜千鳥(釜石市)が砂壁製米舎の酒米を使って醸造した日本酒を用意。各酒蔵がある4地域の食材を使った懐石と共に、日本酒と地元食材とのペアリングを楽しむ。砂壁製米舎が栽培した「銀河のしずく」も献立に組み込み、酒米だけではなく食米も味わえる内容とした。
砂壁さんも出席するほか、酒蔵からもゲストを迎える予定。「ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング」では、日本酒をテーマにしたイベントや酒蔵とコラボレーションした企画は行ってきたが、酒米農家とのイベントは初めてだという。
「米を作る人、酒を造る人、それを提供する人、そして飲む人が一堂に会する。このようなイベントは他にないと思う」と岩田さん。「日本酒と懐石料理と聞くと、難しそうなイメージがあるかもしれないが、今回は格式張らない気軽なイベントにすることにもこだわっている。酒造りのスタートである米の作り手の話を聞き、酒蔵ごとの味わいの違いや料理との組み合わせを楽しみ、皆さんと一緒に日本酒で笑顔になれれば」と呼びかける。
18時開宴。料金は1万2,000円。予約はウェブサイトなどで受け付ける。