盛岡の「さわや書店フェザン店」(盛岡市駅前通)が12月9日、「文庫X」の中身を公開する「文庫X開き」を開催する。
「文庫X」は本全体を全面帯で覆い、ビニールで包んで内容が分からないように販売している文庫本。今年7月下旬から同店で販売したところ当初用意していた60冊が数日で完売。その後、ツイッターなどで紹介したところ話題を呼び、現在は県内14カ所の書店で販売しているほか、47都道府県600店舗以上で展開されている。同店での売上数は累計で4300冊を超えた。
発案者である同店スタッフの長江貴士さんは「まさかこんなに広まるとは思っていなかったので、最初はとても驚いた。すぐに正体がばれてしまうのではという心配もあったが、今まで隠し続けられたのも読者の皆さんの協力があったおかげ。一緒に盛り上げてくれたことに心から感謝している」と話す。
「文庫X開き」当日は17時30分を解禁時刻とし、同店ではツイッターを通して読者に一斉に感想を投稿するように呼び掛けを行っている。18時30分からは、盛岡駅ビル「フェザン」本館1階の「出逢(であ)いの広場」で、「文庫X」の著者である「著者X」氏によるトークイベントを開催。11月21日から同店でイベント参加用の整理券を配布している。先着120枚。レジカウンターで受け取ることができ、電話での取り置きも行っている。
長江さんは「どこかでいったん区切りをつけたいとずっと考えていて、ようやくこの日を迎えることができる。文庫Xとしての販売は終了してしまうが、新しいスタートの日になると思う。これからこの本と出合う人に向けて、どんな一歩を踏み出せるかドキドキしている。ぜひ解禁の瞬間を共有してもらいたい」と呼び掛ける。