フォーラム盛岡(盛岡市大通2)で11月2日、長編アニメ映画「この世界の片隅に」の先行上映会が行われた。
ニッポンめんサミットin盛岡2016開催記念として行われた同イベント。舞台あいさつには主人公すずの声を務めた女優ののんさんと監督の片渕須直さんが登壇した。
片渕監督は「岩手が生んだといってもいいのんさんが東京で広島弁の役に就いた」と第一声を発すると、場内から笑いと拍手が起きた。その後、盛岡でわんこそばを食べたことや、製作中のエピソードを紹介した。
片渕監督が「のんさんの集中力がすごかった。11時間休憩なしで録音した」と話すと、「監督が集中していたので必死でついていった。監督がタフで引っ張ってくれた」とのんさん。
同作について片渕監督は「今年はアニメ映画が当たり年。若い世代に語り掛ける映画が多いが、高い年齢の人にも見てほしい」と世代を超えた作品であることを訴えた。「この作品の『世界』は1944年と今、2016年のここ盛岡と同じ一つの世界の出来事だとくみ取ってもらえるとありがたい」とも。
のんさんは「普通に生活するとか普通に生きていくということの、『普通』がとても大切なことだと感じられる。その感覚は見た人全てに響くのではないかと思う」と紹介。「生きるということに涙があふれる作品。公開してから大切な人と見て、大事な感覚を共有できるのでは。ぜひ見てほしい」と呼び掛ける。
最後は達増拓也岩手県知事も登壇し、「のんさんがアニメ声優という新しい可能性を切り開く場に立ち会えるのがうれしい。麺の縁でのんが岩手に来た」と応援のメッセ―ジを送った。
同作は11月12日から一般公開される。