岩手県は本年度から、県内の企業・団体の働き方や労働環境を改善する「いわて働き方改革推進運動」を開始し、参加企業を募集している。
働き方改革とは、働く人がやりがいを持ち、仕事と生活との調和の取れた労働環境を目指し、従業員と企業が一体となって環境改善に取り組むこと。県内では長時間労働のほか、東日本大震災以降の人手不足、人口流出・減少が課題となっている。そこで、次世代を担う若者を中心に岩手で働くことにもっと魅力を感じてもらい、働く場所として選んでもらおうと同運動を進めている。
県雇用対策・労働室労働課長の工藤直樹さんは「県内でも少しずつワークライフバランスを意識する企業が増え、良い方向にあると思うが、まだ足りないことや、より良くできる部分は多い。皆さんに呼び掛けて環境を改善し、岩手で働くことにもっと興味を持ってもらいたい」と話す。
同運動に参加するためには、ホームページからチェックシートをダウンロードし、記入して提出。チェックシートは大きく5つに分類され、長時間労働の抑制や休暇の取得促進など従業員の労働状況に関する項目や子育て・介護への支援、女性や若者の活躍状況、高齢者や障がい者の雇用などを中心に確認する。各項目に自由記入欄を設け、各企業独自の取り組みも調査する。
運動への参加を呼び掛けるとともに、参加企業の中から優れた取り組みを表彰する「いわて働き方改革アワード」も実施。チェックシートに当てはまる項目数を総合的に審査する「総合部門」と、自由欄に記入した独自の項目について審査する「個別取組部門」の2部門で表彰を行う。総合部門で最優秀賞を受賞した企業には奨励金10万円を贈呈。個別取組部門では、優れた取り組み内容をまとめた事例集への掲載を予定している。
工藤さんは「良い取り組みを紹介することで、『うちでもやってみよう』と考える企業が増えてくれればうれしい。労働環境の改善を県民が広める運動として行っているところは珍しいと思う。ぜひ参加して、一緒に魅力ある環境づくりを進めてほしい」と呼び掛ける。
本年度表彰対象の参加企業募集締め切りは8月31日。その後も随時募集予定。詳しい要項と参加方法はホームページから確認できる。