2013年度グッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)を浄法寺漆産業(盛岡市本町通3、TEL 019-656-7829)と荻ガラス工房(山口県荻市)のコラボレーション商品「Urushito Glass」が受賞した。
同商品は、原石から作る透明度が高く傷つきにくいグラスと「とっくり」に、うるしかき職人が一滴一滴丹念に採取した浄法寺うるしを使用した漆器の受け皿やふた、おちょこをそれぞれ合わせたもの。盛岡市出身の山口県立大学准教授山口光さんと浄法寺漆産業社長、松沢卓生さんが友人であることをきっかけに、山口さんがデザイナーを務め、岩手の工芸であるうるしと山口の工芸であるガラスを組み合わせた同商品を企画した。ガラスと漆器の組み合わせが美しく、岩手と山口の工芸コラボレーションが評価され今回の受賞となった。
同賞審査員からは「遠く離れた2つの産地の職人から生まれた、モダンで美しい器。安価で手軽な素材に押され、需要が減少している国産漆に新たな価値を与え、現代の生活の中に再生させる優れたデザインの挑戦」と評された。
松沢さんは「2年前にも『浄法寺うるし』として受賞したが、今回は一般の方が手に取って使うもので受賞できてありがたい。使ってもらうことでうるしを広めていきたい」と喜びのコメントを寄せた。「うるしと別の素材を組み合わせる『Urushito』シリーズを今後も考えて出していきたい」とも。10月30日には、東京ミッドタウンで開催される「グッドデザインエキシビション2013」で受賞作として紹介される。
同商品は浄法寺漆産業ネットショップから購入できる。