「みんなの経済新聞ネットワーク」が実施した「みん経まちのニュース大賞2012」で、盛岡経済新聞の記事「青森から盛岡に通い続けて50年-94歳露店商、年内で営業最後に」が3位に輝いた。
吉田さんが手書きで作った木村さんの看板。木村さんがいなくなった後に階段に置かれていた
同ネットワークで昨年1年間に配信した記事の中から、各エリアの推薦と審査委員会を通過した最終ノミネート記事30本が選ばれ、一般投票により決定した。
受賞した記事は、青森から盛岡へ50年間通い続け、海産物露店商を営んできた青森県南部町在住の94歳木村ゴヨさんの営業終了を伝えたもの。50年もの間、盛岡の片隅で街の変化を見続けてきた木村さんは、盛岡市民からも愛される存在で、昨年12月28日の最終日には昼前には商品が売り切れるほどの人気ぶりだった。
20年近く青森から盛岡への送り迎えを行っていた「あい川目運送」の吉田節夫さんは「本人は今年もやるつもりでいたが、仕入れ先が閉店したため昨年末で営業終了することになった。自分のおふくろのような存在の人だったので、ずっと付き合おうと思っていた」と木村さんへの思いを語った。営業終了の2カ月前には営業終了を知らせる看板も段ボールで手作りした。「好きな商売を続けてこられて木村さんほど幸せなおばあちゃんはいない。木村さんが商店街にも元気を振りまいていたと思う」と話す。
木村さんは営業終了後も元気な様子で「盛岡の皆さんにはずっとお世話になって、ありがとうございました。サケを持って盛岡にはもう行ってないけど、温泉に行ってゆっくりしている」と近況を話してくれた。