今年で4回目となる「志波城」田んぼアートが現在、志波城古代公園(盛岡市上鹿妻五兵ヱ新田48-1)の一角で公開されている。
1200年前に征夷大将軍・坂上田村麻呂が造営した古代城柵(さく)「志波城」を復元した同公園。「何か楽しめることをしたい」と、岩手県文化財愛護協会と地元の人が中心となり田んぼアートを始めた。今年は、4月10日から準備を始め、「いにしへの風にあう」の文字と志波城南門を描いた。
制作には、古代米をはじめ6種類の稲を使い、わずかな色の差で絵を表現している。専門家がいるわけではなく、最初は全員が未経験者だった。一般的な田んぼアートは数百人から数千人単位で行われる作業だが、志波城では70歳以上の地元の人を中心に10人ほどで作業に当たった。
3年前から始められ、今年で4回目となる「志波城」田んぼアート。周辺には残念ながら、田んぼを見下ろせる場所がない。南門にやぐらはあるものの、普段は危険防止のため上ることが禁止されている。来場者がいつでも見られるように設備を整えるのが今後の課題だ。
1回目から作業に携わる吉田栄さんは「知識も経験もないところから始め、4回目でようやく慣れてきた。来年は志波城マスコットの『しわまろくん』を描きたい」と話す。
収穫した古代米の一部は、志波城南門前の案内所で販売する。
入場無料。