ホテルメトロポリタン盛岡(盛岡市盛岡駅前通)で6月9日、「東日本大震災津波からの復興まちづくりフォーラム」が開催された。主催は岩手県。
会場には県内の大学生を含む市民およそ200人が来場。第1部の基調講演では岩手県の上野善晴副知事が復興計画について説明。続いて造園家で東京都市大学環境情報学部教授の涌井雅之さんが登壇し、「後世に引き継ぐふるさと三陸のまちづくり」をテーマに、里山など自然と融合したまちづくりや陸前高田に予定されている国立防災メモリアル公園の構想について持論を展開した。
第2部はパネルディスカッションを実施した。テーマは「震災の防災文化教育の継承」「復興まちづくり」「震災の教訓を伝承するための施設」の3つ。会議は円卓式で涌井さんをファシリテーターに、陸前高田市の戸羽太市長や奇跡のおかみで知られる旅館経営の岩崎昭子さんほか、地元の建設業や専門家、行政マン、県内の大学生を交え、三陸の復興のあり方について議論した。
席上、涌井さんは「防災よりも『減災』『克災』という考え方が大切。340年前から高田松原に引き継がれてきた地域の知恵を生かしてほしい」話した。戸羽市長は「残された一本松には悲しみもあるが希望もある。個人的には今の(津波で破壊された)市庁舎を見て涙しか出ないが、(この地域が)いずれ希望の見える公園になれないか考えている。東北だけでなく日本全体の問題として捉え、子どもたちが夢を追いかけることができる時代を作っていきたいし、ここにいる学生たちに期待したい」と締めくくった。
(取材協力=三陸経済新聞)