中小企業や中心市街地の活性化による地域経済の浮揚を目的とした地域ファンド「いわて希望ファンド」の運営が11月30日に確定した。この日、中小企業基盤整備機構から同ファンドの実質的母体となる岩手県へ40億円の運用貸付金が確定したことによるもの。
貸付金は同機構の認める「地域中小企業応援ファンド」に対して行われるもので今回、和歌山県の「わかやま中小企業元気ファンド」(64億円)とともに貸し付けが決まった。貸付期間は10年。
県単位で運営される同ファンドは岩手県の達曽拓也知事が就任直後の2007年度の一般会計6月補正予算の中で重要施策として盛り込まれていたもの。同機構が40億円、岩手県と北日本銀行(盛岡市中央通1)がそれぞれ5億円、計50億円を無利子でファンドに貸し付け、これを元手に国債や県債などの運用益を基金とし、新規創業や中小企業の事業転換、中心市街地活性化に関わる事業、さらに(中小企業などを支援する)支援機関による支援事業に助成される。予定としては毎年9,000万円の運用益を助成金に充てるという。
中でも、岩手県特産の農産物や海産物を活用する食品製造業と観光産業を中心とする「地域資源型産業」、機械加工や金型、鋳造などの「ものづくり産業」、「中心市街地の活性化」に関わる事業は、重点的に支援を行うという。
実際の基金の管理・運営は「いわて産業振興センター」(飯岡新田3)が行う。助成対象事業の選定は公募により、審査委員会を経て行われる。運営は2008年1月からの開始予定。