矢巾町で生産されたお米「どんぴしゃり」を原料にした地酒の純米吟醸酒「徳丹城 別将」(とくたんじょう・べっしょう)の店頭販売が、11月末から始まった。
同酒は「NPO法人やはば協働センター」(矢巾町大字西徳田、TEL 019-697-3399)が企画し、「月の輪酒造店」(紫波町)が製造・販売するもの。精米歩合60%の精米を原料に「袋吊しによる搾り」で純米吟醸酒に仕上げた。使用米の「どんぴしゃり」は大ぶりの粒が特徴で、生産農家の勧めで今回初めて清酒の原料に採用されたという。
今回の酒造りの経緯について、同法人理事長の水本孝さんは「昭和40年代に国指定の史跡となった徳丹城の利活用の一環として、地元のお米を使った酒づくりを企画・提案した。矢巾町には酒造メーカーがないので地酒がなかったことも理由のひとつ」と話している。品名の由来については「同城から出土した墨書土器(ぼくしょどき)に書かれてある『別将』の文字をいただいた」(水本さん)もので、ラベルの文字は現町長の直筆という。味について、水本さんは「一言でいうとすっきりした味わい」と話している。
今回の出荷数1,000本のうち、すでに約8割が予約済みで、現時点で確実に手に取れるのは矢巾町のワイズリカーとショッピングセンター昆松の2カ所のみ。予想を超える人気から、すでに来年1月には次の仕込みが決まっており、同年の2月か3月には2回目の出荷を予定している。出荷数は今回と同じ1,000本を予定。「次回はさらに香りを吟味していきたい」と水本さんは話している。
価格は720ミリリットル瓶で1,500円。