盛岡・紺屋町にコーヒー店「漸進社」 「少しずつ進歩する店」目指して

手前に写るのが豆の販売スペース。常時6種類ほどが並ぶ

手前に写るのが豆の販売スペース。常時6種類ほどが並ぶ

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 コーヒー豆の小売りをメインにする喫茶店「漸進社(ぜんしんしゃ)」(盛岡市紺屋町)が1月にオープンした。

外観は周囲の建物に合わせた白とグレーでデザイン

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 同店の店主は中ノ橋通で「自家焙煎(ばいせん)珈琲&Bar バロック」を営んでいた鈴木哲基さん。「バロック」はコーヒーや洋酒を味わいながら音楽を楽しめる「音楽喫茶兼バー」の要素もあり、県外から訪れる人も多くいた。一方で店舗がビルの2階にあり、場所が分かりづらさや入りづらさがあることに悩んでいたという。同時に、開店当時から行っているコーヒー豆の販売について広く知らせることに難しさも感じていたことから、新規事業としてコーヒー豆の小売りを主体にした店舗を構えることを決意。「バロック」を昨年11月末に閉店し、新店舗の立ち上げに乗り出した。

 鈴木さんは「コーヒー豆の販売にもっと力を入れたいという気持ちがあるので、音楽的な要素もなくして新しい形で始めることを考えていた。紺屋町を選んだのは古い街並みでやってみたいという思いもあるが、実はバロックに来ていた人からのアイデア。少し店の雰囲気が変わったが今も変わらず顔を出してくれる人もいてうれしい」と話す。

 新しい店舗は古い街並みや街の色に合わせた店作りにこだわり、外観は周辺の白とグレーを基調としたデザイン。近くにある番屋や周囲の建物、官庁街との親和性を高めた。内装は木目調で、「昔からある店」をイメージ。壁の一部を白くし、スクリーンとして映像が投影できるよう工夫も凝らした。

 コーヒー豆は世界中のコーヒー豆から鈴木さんが選び、常時6種類ほどを100グラム600円から販売する。メニューはバロックの頃と大きく変えず、コーヒーやジュース類、アルコール類を用意するほか、カレーやパスタなどの食事も提供する。

 店名の「漸進」には「少しずつ進歩する」という意味がある。鈴木さんは「新しいことを始めるにあたって、弱めの一歩を踏み出したい意味で付けた。少しずつ街になじむ良い店にしていきたい」と話し、「紺屋町は盛岡の古さが残る場所。観光のついでに、通勤や家に帰る途中に立ち寄ってもらえたら」と呼び掛ける。

 営業時間は11時~翌1時。

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